円山町のミニシアター「ユーロスペース」(渋谷区円山町、TEL 03-3461-0212)で2月19日、山口県上関町の原発計画を追ったドキュメンタリー映画「ミツバチの羽音と地球の回転」が公開される。
同作では、1982(昭和57)年に持ち上がった中国電力が瀬戸内海を埋め立てた上に建設を計画する「上原原子力発電所」(山口県関町)を取り上げ、建設予定地の対岸に位置する祝島の島民たちとスウェーデンで「持続可能な社会」を構築する人たちの取り組みを描いた。
メガホンを取ったのは、ドキュメンタリー映像作家で東京工科大学メディア学部助教授の鎌仲ひとみ監督。大学卒業と同時にフリーの助監督してドキュメンタリーの現場へ足を踏み入れた鎌仲さんは、1990年に初の自主制作映画「スエチャおじさん バリ・夢・うつつ」を制作。その後、文化庁の助成を受けてカナダ国立映画製作所で研修を受け、ニューヨークへ渡りメディア・アクティビスト集団「ペーパータイガー」に参加。1995年に帰国し、経済や環境をテーマにしたテレビ番組の制作を手掛けた。2004年に完成した青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場に迫ったドキュメンタリー「六ヶ所村ラプソディー」(2006年)は全国600カ所以上で上映され、10万人以上を動員し社会的反響を呼んだ。
「アップリンク・ファクトリー」(宇田川町、TEL 03-6825-5502)で現在、「六ヶ所村ラプソディー」と日本やイラク・アメリカなど核汚染の環境の下に生活する「ヒバクシャ」の声を伝えるドキュメンタリー「ヒバクシャ 世界の終りに」(2003年)を連続上映(鑑賞料は当日1,000円)するなど、各所で同作公開記念イベントも展開している。
当日の鑑賞料は、一般=1,700円、大学生・専門学校生=1,400円ほか。毎週土曜・日曜(各日12時40分の回終了後)にはトークイベントを予定。鎌仲監督のほか、キャンドルアーティストのCandle JUNEさん、ジャーナリストの上杉隆さんらを招く。