香港のセレクトショップ大手I.Tが1月31日、ファッションブランド「A BATHING APE（ア ベイシング エイプ、以下ベイプ）」を展開するノーウェア（港区南青山5）の買収を発表した。

　1988年、香港の小規模なセレクトショップとして創業したI.Tは「I.T」「ETE」などのセレクトショップを展開。香港証券取引所に上場し、中国本土を含め現在350店舗以上を出店するアパレル小売り大手。ベイプは昨年12月、同社が北京に出店する「I.T Beijing Market」地下にオンリーショップを出店している。

　ノーウェアの発行済株式90.27％をNIGOさんから2億3,000万円で取得する。子会社化を機に経営改革に乗り出すほか、NIGOさんはクリエーティブ・ディレクターとして2年間、プロダクトデザインやブランドディレクションなどに携わっていく。

　I.Tが公開した資料によれば、昨年8月31日時点でノーウェアが抱える負債総額は約10億2,500万円で、昨年の損益は約1億1,900万円の赤字。同社は昨年1月、ユナイテッドアローズ（渋谷区神宮前2）とコラボレーションし、スーツラインなどを扱う「Mr.BATHING APE by UNITED ARROWS」をスタート。同6月には「BAPE STORE 原宿」（神宮前4）3階に新コンセプトのセレクトショップを出店するなど「原点回帰」や新規顧客の獲得に乗り出していた。