原宿の人気雑貨店「6%DOKIDOKI(ロクパーセントドキドキ)」(渋谷区神宮前4、TEL 03-3479-6116)のディレクターでアーティスト増田セバスチャンさんの自伝「家系図カッター」(角川グループパブリッシング)が1月26日に発売される。
1970(昭和45)年千葉県出身の増田さんは、1994年まで前衛演劇・現代美術の世界で活動し、1995年、原宿に自身の「表現の場」として「6%DOKIDOKI」をオープン。店内では増田さんがデザインしたポップで奇抜な雑貨を扱うほか、国内外で「原宿カルチャー」「Kawaiiカルチャー」に関するディレクション業を手がけている。2005年からは舞台シリーズ「ヴィジュアルショー」も開催。
虐待などのニュースが報道される中「なぜこのようなことが起こるのだろう」と、自身の境遇に置き換え考えた増田さんは「家計に脈々と流れる因果が関係しているのでは」との考えをきっかけに執筆を決意。自らの家族の問題を「サンプル」として打ち明け、「社会に新しい価値観、家族論を提示しようと思った」という。「子どもは作らない」という増田さんの持論から「新しい家族像の提案」をする。
同書では、母親や祖母までさかのぼり人生の「サンプル」として書き下ろした「増田家の家系」を軸に、80年代の「ホコ天(歩行者天国)」、音楽シーン、90年代前半の現代美術シーン、90年代後半の原宿のファッションシーンなど増田さんが見てきたカルチャー、「6%DOKIDOKI」立ち上げの経緯、同店のスタイルが世界に波及していく様子などをひもといていく。
「『この歳で自伝を出すなんて』と、とても不思議な気持ち」と増田さん。「僕を知らない、原宿ファッションに興味がない方にぜひ読んでいただきたい。なぜ『6%DOKIDOKI』のようなカラフルなファッションが、今世界中の若い人たちに支持されているのか理解できると思う。この本の中で提起している問題は日本だけでなく、世界中で起こっている問題であることを理解してもらい、個々の問題を解決するヒントにしてほしい」と話す。
若者に向けて「受け身のまま物事をすべて捉えるのではなく、自分で感じて考えてほしい。この本に書いてあることはすべて僕の身に実際に起きたこと。それでも僕が今意外と前向きに生きていることで、皆にも自分の道を選んで生きていってほしい」とメッセージを寄せる。
価格は1,300円。雑誌「Spoon.」の公式サイトなどウェブや電子書籍で前書き・第1章を、YouTubeで「あとがきにかえて」を公開している。
今月30日には、渋谷パルコ(宇田川町)パート1・7階特設会場でトークショー、サイン会などの発売イベントを開催。「リブロ渋谷店」(渋谷パルコ・パート1地下1階)で同書を購入した人先着100人にイベント招待券を進呈する(同店以外の書店、ウェブで予約・購入した人は「特別枠」として参加可能)。