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ミニシアター「恵比寿ガーデンシネマ」休館へ-17年の歴史に幕

現在公開中のウディ・アレン監督「人生万歳!」は連日盛況が続く(写真=同館エントランス)

現在公開中のウディ・アレン監督「人生万歳!」は連日盛況が続く(写真=同館エントランス)

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 恵比寿ガーデンプレイス(渋谷区恵比寿4)の開業以来、17年間にわたり営業を続けてきたミニシアター「恵比寿ガーデンシネマ」が来年1月28日に休館する。

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 米国インディーズをはじめ、社会派ドキュメンタリーやアート色の強い作品など独自のラインアップでミニシアターブームをけん引してきた「映画の専門館」が17年の歴史に幕を閉じる。運営会社、角川シネプレックス(千代田区)の撤退によるもので、今後の展開については「映画館として再開するかを含め、現段階で発表できることはない」(恵比寿ガーデンプレイス担当者)としている。

 座席の前後が110センチ、幅55センチの「ゆったりとした」設計やスクリーンに対し見やすい座席配置、高品質な音響設備など「ぜいたくな鑑賞空間」にこだわり、232席、116席の2シアターで数々の「ミニシアター系」ヒット作を送り出してきた。

 オープニング作「ショート・カッツ」(ロバート・アルトマン監督)は19週にわたるロングランヒットを記録し、同館歴代6位の動員数と開館当初から話題を集め、続いて公開された青春映画「リアリティ・バイツ」(ベン・スティラー監督)も動員数歴代4位を記録するロングランヒット。

 中でも、米コロンバイン高校銃乱射事件を題材に取り上げたドキュメンタリー「ボーリング・フォー・コロンバイン」(マイケル・ムーア監督)は、28週にわたるロングラン上映で同館唯一となる動員数10万人超えを記録。興行収入は同館のみで1億7千万円に上る。

 このほかの歴代動員数は、2位がポール・オースターさん原作、ハーヴェイ・カイテルさん主演の「スモーク」(ウェイン・ワン監督、1995年)、3位が革命家チェ・ゲバラの若き日を描いたロードムービー「モーターサイクル・ダイアリーズ」(ウォルター・サレス監督、2004年)、5位は人気児童文学原作のスウェーデン映画「ロッタちゃん はじめてのおつかい」(ヨハンナ・ハルド監督、2000年、以上カッコ内は日本での公開年)で、いずれも興収は1億円を上回る。

 現在は、「ラスト上映作」となるウディ・アレン監督最新作「人生万歳!」が公開中。アレン監督作品は同作の上映で同館最多の15作品目となる。初日から2日間で1,600人を動員する盛況ぶりで、116席のシアター2で上映中のクリスマスストーリー「夢と犯罪」(同監督)も、2日間で動員数600人を記録するなど順調な滑り出しという。

 休館前の来年1月15日~28日には「恵比寿ガーデンシネマ・ベストセレクション」と題し、過去の上映作品の中からセレクトした傑作選を上映する。アレン監督「ウディ・アレンの夢と犯罪」「マッチポイント」「さよなら、さよならハリウッド」など15作を上映予定。

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