ボランティア活動を続け、カンボジアに小学校と病院を建てたギャルやギャル男に密着したドキュメンタリー映画「マジでガチなボランティア」が12月4日より、 渋谷パルコ(渋谷区宇田川町)パート3・8階の「シネクイント」(TEL 03-3477-5905)でレイトショー公開される。
「ギャル男」として密着取材を受けた石松宏章さんは、東京医科大学在学中の2004年、イベントサークル「GRAPHIS(グラフィス)」を結成。パーティー活動などに夢中になっていた日々に「物足りなさ」を感じていた時、友人から受け取った1通のメールをきっかけにボランティア活動に熱中し始める。
以来、チャリティーイベントを開き、イベントの収益でためた1,500万円を寄付しカンボジアに小学校を建設するに至った。その経験は「今までにない充実感と大きな喜び」となったが、カンボジアには「医者がいない」ということに気付き、次は病院を建てることを決めた。しかし、そこからが本当の試練の始まりだった…。
同作が監督デビュー作となる1970(昭和45)年生まれの里田剛監督は関西大学経済学部卒業後、番組制作会社に勤務し、フリージャーナリストとして活動。2006年に映像制作会社「メディアフォー・ユー」(宇田川町)を設立した。「何かに真剣に取り組んだ人だけが知りえる歓喜と絶望を描きたい」との思いから、チャリティー、ボランティア中心へと徐々に活動内容を変えていった同サークルの学生に密着した。
3年間にわたる取材の中で、仲間が去り、140万円の借金を背負うなどしながらもボランティアを続ける石松さんら大学生の姿を記録に収めた同作品。里田監督は「ギャルやギャル男は外見で判断されがちだが、いろんな人がいる。固定概念みたいなものを壊してもらいたい」と作品に込める思いを語る。
「作品内で映る日本の場面はほとんどが渋谷。若者の代名詞ともいえる場所なので『何かをやりたい』と思っている若者に見てもらいたい」(里田監督)。初監督となった同作については、「引きこもって作業していたので燃え尽きた感じもある」と話し、「絶対に成功させたい」と意気込む。収益の一部はカンボジアへの寄付を予定しているという。
上映時間は21時20分~22時55分(9日は上映なし)。日によって、上映後23時からイベントも予定。鑑賞料は、一般=1,800円、大学生=1,500円、高校生=1,300円ほか。