老朽化に伴い改築を行う「キデイランド原宿店」(渋谷区神宮前6)が現店舗での営業を終了した8月31日、「キデイランド原宿店THEファイナルデイPARTY!!」と銘打ったイベントが行われ、モンチッチがエアギターを披露するなどした。
1946(昭和21)年に故・橋立孝一郎が埼玉県・秩父で創業した「読書クラブ橋立書店」が前身となる「キデイランド原宿店」。1950(昭和25)年11月に現在の場所で書店「橋立書店」として開店。終戦直後だった当時、代々木公園などの一帯は占領軍将校たちの居住区域で多くの外国人が暮らしていたこともあり、同店では外国人顧客向けの雑貨、日本の玩具も扱うようになった。
1955(昭和30)年くらいから、愛称として使用していた「キデイランド(子どもの国)」を外国人にもなじみやすい呼称として店名に掲げている。現在の店舗は1966(昭和41)年に完成したもので、今日まで「キデイランド」の旗艦店として営業してきた。日本の子どもたちや中高生をはじめ、故マイケル・ジャクソンさんをはじめとした海外セレブらも来店。現在では売上げの約4割は外国人客が占めているという。
当日はチェブラーシカやロディー、ベビーココ、ピングーの着ぐるみも駆け付け、来店客と写真撮影などを行ったほか、8月上旬に行われた「エアギター日本大会」で準優勝したモンチッチがエアギターを披露。ほかにも、店頭で「シャンパン風」ノンアルコールドリンクが振る舞われたほか、閉店時間が1時間後に迫った20時からはビンゴゲーム大会も行われた。
母親と来店していた渋谷区在住の和田眞由子ちゃん(小学3年)は「スージーズーが好きで、キデイランドにも来ていた。またオープンするから、あまり寂しくない。(再オープンを)楽しみにしている」と話した。
「この店舗での営業は44年。今日でいったんピリオドを打つが、来月からは『キャットストリート店』で営業を続け、2012年には新生キデイランド原宿店がオープンする。もっともっと感動を提供する店を目指して頑張っていきたい」と店長の塩谷浩一さん。「わたしで6人目の店長。先輩店長らに話を聞いてきているが、(当店を通じ)遊びやおもちゃの文化を発信していかないといけないと考えている。お客さまも店に対して思い出があると思うが、店舗機能的な限界がある。わたしとしても感慨深いものはあるが、先を見て行かなくては」とも。
今後については、「おもちゃの楽しさ、キャラクターグッズの楽しさを伝える店として、機能面や接客を向上させていきたい」と意欲をみせ、「当社内でキャラクターの専門ショップ化の推進を進めているので、(新生原宿店でも)キャラクターの専門ショップが増えるほか、原宿店独自の展開も行っていきたい」と話す。
閉店時間の21時を過ぎ、最後の客を見送った後「未来に向けてゴー!」という塩谷さんの掛け声で集まった客や店員らがクラッカーを鳴らした。集まった人たちは「ありがとう」の言葉をかけながら、拍手でシャッターが下りるのを見送った。
店舗は解体・新築工事を行い2012年夏に新規開店を予定。休業期間中は、原宿店から150メートルほど離れたキャットストリート沿いに「キデイランド原宿キャットストリート店」(神宮前6)をオープン。商品の取扱ジャンルに変更はなく、原宿店3階に出店していた「スヌーピータウンショップ」が出店するほか、各種玩具やハローキティやリラックマ、ミッフィーなどのキャラクターグッズを扱う。現原宿店の1階路面スペース「Kスポット」は店舗の解体が始まるまで営業を続ける。
「キデイランド原宿キャットストリート店」のオープンは9月17日。