夏休みに入り、ティーンなど買い物客らでにぎわう渋谷、原宿エリアで、若い女性客を取り込もうと、人気雑誌などが相次いで「シャトルバス」プロモーションを企画している。

　宝島社（千代田区）は、同社が発行する「spring」「InRed」などの人気ファッション誌の中でも最も勢いづいている「sweet」の107万部（9月号、過去最高）突破記念として、同誌のロゴでラッピングした開放感あるケーブルカータイプのショッピングバスを、8月14日・15日の2日間限定で運行する。

　1999年3月創刊のsweetは、「28歳、一生『女の子宣言！』」をキーワードに読者層を広げ、今年2月号で発行部数105万部を突破。コアターゲットの28歳を中心に、10代から40代まで幅広い年齢層までターゲットを広げてきた。ショッピング好きの読者層が集まる渋谷～原宿間に無料「送迎バス」を走らせることで、「お買い物のお手伝いをする」（同社）という。

　当日は、原宿・明治通り沿いの「フォーエバー 21」（渋谷区神宮前1）と、渋谷・公園通り近くの「ジャーナルスタンダード渋谷店」（神南1）前にそれぞれ専用の「バス停」を設け、両店舗間をバスが運行。道路交通法に従い、各店舗前にはスタッフが立ち、両店の協力の下、当日限定の停留所を設置する。定員24人で、運行時間は13時～19時を予定。

　ワールド（神戸市）が展開するティーンズ向けセレクトショップ「ピンク ラテ」が運行するのは、旗艦店「ピンク ラテ原宿店」（神宮前1）と渋谷を結ぶシャトルバス。「カワイイ」「イケてる」などの視点で集めたアパレル、雑貨や文具、ケータイ関連グッズなどを主に「JC（女子中学生）」向けに提案するセレクトショップで、「空港」をコンセプトにしたインパクトのある店舗も特徴。こちらもブランドカラーを前面に押し出したオリジナル仕様のバスを、今月19日～25日の1週間にわたり運行する。

　各社ともにラッピングバスの運行でブランド認知拡大を目指すほか、運行期間中は「付属」キャンペーンも展開し、口コミ効果を狙う。宝島社はバス運行に合わせ、公衆無線LAN「livedoor Wireless」を一般に無料開放するほか、バスの乗客全員に同誌オリジナルのうちわ、バッグと、「アナスイ」のオリジナルキャンドル、フォーエバー21の折り畳み傘をそれぞれ進呈する。ワールドは23日・25日、特別ゲストを招きサプライズイベントを開催予定。

　ティーンから20代以上の男女まで幅広い客層の購買欲を高める人気店が集中する渋谷～原宿間では、明治通りやキャットストリートを「徒歩」で買い物するのが主流。全面ラッピングの「広告車」としての宣伝効果に加え、送迎機能付きの無料シャトルバスを使った「体感型」企画で、ユーザーに「親近感」を持たせるのも狙いだ。