渋谷センター街で7月23日から恒例の「七夕まつり」が始まり、同日浴衣を着た女子大生ら約50人がセンター街を練り歩いた。
「七夕まつり」は、渋谷センター街商店街振興組合(渋谷区宇田川町)が10年ほど前から、「元来七夕が行われていた」という旧暦の七夕に合わせて開催しているもの。期間中、センター街入り口のポールや街路灯など計98カ所に、仙台の「七夕まつり」同様の竹や和紙などを飾り付け。入り口に飾る「くす玉」や「吹流し」は、仙台で手作りされたものを使用し、仙台と同じ飾り付けで開催するのは今年で6度目。
今回、昭和女子大学(世田谷区)環境デザイン学科・環境心理学研究室を中心とした学生と連携。「街づくり」などを学ぶ学生らが「将来の渋谷の街づくり」に関する研究を行っていたところ同組合と知り合ったことがきっかけで、「一緒に渋谷の街づくりができないか」と今回の練り歩きイベントが決定した。「女子大生と渋谷という街のイメージが合う。提携すれば街のイメージアップにもつながるのでは」と同組合副理事長の小野寿幸さん。
練り歩きは同大学の調査も兼ねて行われるもので、センター街入り口や「マクドナルド渋谷センター街店」など4個所に定点カメラを設置。浴衣を着た学生らが通った際「街にいる人たちの反応がどう変化するか」を調べるという。調査の結果は、来年以降「まつりを盛り上げるため」や「渋谷のイメージアップをするため」に役立てるという。
初日となるこの日、練り歩きに参加したのは昭和女子大学を中心に、東京大学や慶応大学、国士舘大学などの学生約50人。17時30分から約1時間かけてメーン通りや井ノ頭通りなど渋谷の街を練り歩いた。浴衣を着た学生らの登場に街を行き交う人たちは驚いた様子を見せていたほか、学生らと一緒に写真を取る外国人観光客の姿も見られた。
練り歩きは、期間中の毎週金曜~日曜に開催。毎回約20人の大学生が参加予定で、各日ともに15時~17時、17時~19時の2回。昭和女子大学生活環境学科4年の田中いづみさんは「普段あまり着る機会のない浴衣を着られてうれしい」と感想を話し、「地元の方と学生が一緒になることで地域に貢献できるのでは。大学生が浴衣を着て歩くことで、渋谷にいる若い方にも地域で行われているイベントに興味を持ってもらえれば」と話す。
「H&M」や「ZARA」などファストファッションの大型店が出店を続ける中、センター街では家電量販店「さくらや渋谷店」が2月に閉店、8月22日には1998年からセンター街で営業を続ける「渋谷HMV」の閉店が決まっている。小野さんは「さみしさを感じているが、七夕の飾り付けなどでにぎやかさ、元気さをアピールしたい」と意欲をみせる。「今後も、安心・安全・健全な街づくりを目指していく」とも。
「七夕まつり」は8月8日まで。