渋谷マークシティ(渋谷区道玄坂1)EAST1階スペースで7月7日、中国産ウナギの安全性などをPRするイベント「七夕祭り『鰻福』祈願 うなぎで『満腹』になって七夕に『福』を願おう」が行われ、「ミニうな丼」が無料で振る舞われた。
2008年に起きた中国製ギョーザの中毒事件や、台湾産・中国産ウナギの国産偽装問題などから中国産食品を敬遠する動きも根強い昨今。同イベントは、中国政府が農産品貿易と国内産業の振興を目的に設立した中国食品土畜進出口商会(本社=中国・佛山市)が、今月26日の土用の丑の日を前に、消費者の間に広がっている中国産ウナギに対する「不安感の払しょく」「信頼感の醸成」「家庭内需要の拡大」を目的に開催した。
会場では、中国産ウナギを使った「ミニうな丼」1,500食を無料配布しているほか、七夕にちなみ、会場内にはササの葉を用意。短冊に願い事を記入した先着1,000人にウナギのかば焼きを進呈する。
同商会鰻魚分会の徐利明理事長は「中国のウナギ業界にとって日本は最も重要な市場。中国では品質を大事にするために、中国政府などがいろいろな対処を行った。その結果ウナギの養殖環境が優れ、良い品質のウナギが育っている。生産段階・販売段階ともに5回以上の検査を行うなどの措置により、日本で流通しているウナギは安全なので安心して食べてほしい」と利用を呼びかけた。
「ミニうな丼」を手にしたOL(28)は「中国産の食品はあまり良いイメージがないので普段からあまり購入しない。(ミニうな丼は)おいしかったが、『中国産』に対するイメージはあまり変わらない。ウナギはもともと高い食品なので、どうせ高いのを購入するなら国産が良いかも」と話す。一方、普段から国産・中国産にこだわらず買い物をしているという主婦(30)は「ギョーザ事件の時は『中国産』ということを気にしていたが、今は気にしていない。(中国産のウナギは)イメージ的に皮が硬そうだと思っていたが、柔らかくておいしい」とも。
中国や台湾から「生きたウナギ」と「冷凍かば焼き」を輸入している日本鰻輸入組合(中央区)の森山喬司理事長は「ここ数年間、『ギョーザ事件』やそのほかのことで中国産のウナギが安全でおいしいということを主張しても日本の消費者に伝わらないと苦しい思いをしていた。何としても消費者にそのあたりを知っていただきたいと昨年からイベントを開催している」とし、「中国のウナギは、中国政府が一貫して管理を指導しているので、ここ数年間で世界一安全なウナギになっていると確信している。(現在)6万トンくらいの輸入があるが、数年前に騒がれたような違反はほとんどない。今では我々業界人にとって中国ウナギが安全なのは当たり前で、おいしいウナギを作るということに注力している。本日はおいしさを食べて確かめていただき、丑の日までにどんどん中国産ウナギを食べてほしい」と呼びかけた。
イベントは、「ミニうな丼」が無くなり次第終了する。