東京メトロ半蔵門線・東急田園都市線渋谷駅に直結するビルの地下に先週設置された「バナナ自動販売機」の話題が現在、シブヤ経済新聞の記事などを起点にツイッターや各メディアなどで広がりをみせている。
ドール(千代田区)が6月23日に設置した同自販機。庫内の温度を「バナナの保管に最適」な13度に設定したほか、商品購入の際にバナナを傷つけないようにベルトコンベアで商品を移動、取り出し口の床部に衝撃を吸収するマットなどを4重に敷いている。「その場で食べられる」「ゴミを散らかさない」よう、自販機の隣にはゴミ箱2つを用意した。電子マネーには非対応。
バナナの価格は、1本=130円、1房(4本~6本=約600グラム)=390円で、管理費や運送料などの関係から「多少割高」になっている。自販機内には最大で100パックを収容することが可能だが、「日によって異なるが、搬入翌日の昼ごろには売り切れになっている」という。現在までに約1,040本、金額にすると約10万円を売り上げた。
バナナは月曜・水曜・金曜の10時~11時の間に業者が搬入。その際、庫内に残っているバナナはすべて持ち帰り新しく入れ替えるほか、庫内温度などのメンテナンス、ゴミ箱の袋も取り換えるなど「新鮮さ」「清潔さ」にも気を使う。
2日午後に自販機に立ち寄った女子高生2人組は「今朝のテレビで見て、放課後に買いに来た」「今まで路上でバナナを食べたことはなかったが、これからはここで買って食べるかも」とそれぞれ話し、1本ずつ買い求めていた。
設置後同社には、ネットでの話題の広がりをキャッチしたテレビ・ラジオ、新聞など10社以上から取材依頼があるほか、「(自販機を)置きたい」という問い合わせも来ているという。同社マーケティング部の大滝尋美さんは「ある程度注目はいただけると思っていたが、カメラ付きケータイで撮影するなど面白がってくれるとは思っていなかった」と驚きを隠せない様子。「設置ポイントを増やすほか、当社で展開する6種類のバナナやカットフルーツなども展開するなどトライアルしていければ」とも。
渋谷と同時に設置した「スポーツクラブNAS若葉台」(稲城市)では、トレーニング時の補給、運動後に小腹を満たすために購入する人はいるが、「渋谷ほどの反響はない」という。