東急百貨店東横店(渋谷区渋谷2)西館1階の生花店「青山フラワーマーケット」(TEL 03-3477-4087)は6月25日より、バラの販売什器に二酸化炭素(CO2)排出量を表す「カーボンフットプリント」を表示して販売する。
経済環境省や環境省などが推進する「カーボンフットプリント(以下CFP)」制度とは、原材料調達から廃棄・リサイクルまで製品やサービスのライフサイクルの各過程で排出された温室効果ガスを二酸化炭素の量に換算し、商品に表示する制度。CFPを表示することで、消費者は「購入・使用・廃棄に伴うCO2排出量を自覚し、削減への前進」、事業者は「CO2排出量の削減ポイントを把握し、一層の削減が可能になる」という。
今回、CFPを表示して販売するのはバラの生産を手がけるメルヘンローズ(大分県玖珠郡)のバラ(1本350円前後)。2007年4月から、MPSジャパン(千代田区)が進める花の環境認証「MPS-ABC」に参加するなど、環境への取り組みを行ってきたメルヘンローズ。「CO2排出量削減努力の意思があるアピールにもなる」とCFP表示への取り組みを決意し、昨年12月ごろからMPSジャパンと協力し、国への申請準備を始めた。
メルヘンローズ社長の小畑和敏さんは「CFPを表示するのに必要なCO2排出量の算出には、バラを育てるのに使用した農薬や肥料の量、成分、温室の冷暖房に使ったエネルギー量、出荷本数、花の出荷先市場までの距離などのデータが必要だった。MPS-ABCでコツコツ蓄積してきたデータから数値を算出し、3月に数値が認められた」と振り返る。
青山フラワーマーケットでは、6月4日から南青山本店など毎週異なる店舗で同商品を販売してきた。同店を展開するパーク・コーポレーション(港区南青山5)の取締役CDOの伯野智司さんは「日ごろから取り扱いのあるメルヘンローズさんの前向きな取り組みに賛同し、表示することを決めた」としながらも、「(購入いただくお客さまの中で)カーボンフットプリントの表示に反応するお客さまはまだ少ない」と話す。
「カーボンフットプリントに取り組んでいることにアピールすることで、このバラがどこから来て、どのように育ったかを想像してもらえるようになればうれしい」と小畑さん。「わたしたちがバラに込めた『環境配慮』のメッセージを理解してくれる生花店が販売してくれる。その期待に応えられるよう、これからも工夫を重ね環境に優しいバラ作りを目指す」と意欲をみせる。
東急東横店での販売は300本を予定する。営業時間は10時~21時。