「マリオシリーズ」「ゼルダシリーズ」など60種類以上を扱う日本唯一の任天堂のライセンスTシャツブランド「THE KING OF GAMES」の Tシャツ展が現在、渋谷パルコ・パート1(渋谷区宇田川町)6階で開催されている。
2002年、京都を拠点にスタートした同ブランド。京都のセレクトショップで働いていた江南匡晃さんと前田浩作さんが、任天堂(京都市南区)社員だった同店の常連を通じて企画を持ち込んだのがきっかけ。2002年にはデザインチーム「エディットモード」として独立し、これまで約60種類の任天堂ライセンスTシャツを発表している。
任天堂は1983(昭和58)年に家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)」を発売し、1985(昭和60)年には「世界一売れたゲーム」としてギネスブックにも登録される「スーパーマリオブラザーズ」をリリース。これまで発売したファミコンソフトは1000タイトル以上に上る。2人は小さいころ夢中で遊んだという「ファミコン世代」で、画面がスクロースするマリオの世界には「驚いた」(江南さん)と当時を振り返る。
マリオシリーズをはじめ「ゼルダの伝説」「MOTHER」「パルテナの鏡」などのキャラクターを中心に、初期のカセットラベルの「Vライン」、ファミコン・ゲームボーイ本体などもTシャツ化。デザインは「単にキャラクターやロゴをそのままプリントするのではなく、各ソフトの世界観や裏側のストーリーなどを取り込みながら、普段着として使えるようにと気を配っている」と江南さん。マリオシリーズの「ブロック」などを「何度洗っても落ちないように『刺しゅう』した」タグや、当時のカセット・パッケージを再現したTシャツの化粧箱も特徴。化粧箱はかつてパッケージを製作した印刷会社に委託したもので「カセットを買ってもらったあの時の『ワクワク感』を再現したかった」という。
会場では任天堂ライセンスのTシャツのほか、「SEGA」Tシャツなども販売。シルクスクリーンを使った細かい製作過程を紹介するサンプルプリントや、ファミコン本体なども置いて、同ブランドを複合的に紹介する。人気のデザインは「やっぱりマリオシリーズ」(江南さん)。そのほか「ゼルダの伝説」や、糸井重里さんがゲームデザインを務めたことで知られる「マザーシリーズ」も人気で、「マザーしか好きではないというコアなファンも多い」とも。
ファミコンが8ビットのCPUを搭載していたことに絡めて、ブランド設立8周年を記念して開催する同展。今後について、江南さんは「任天堂との取り引きでは、いかに原型を崩さないで、ぼくたちがプレーヤーとして味わってきたストーリーの面白さを伝えられるかがポイント。『ゲームTシャツ』というと子どもっぽいと思う人もいるかもしれないが、80年代のゲームのクオリティーは高かった。その世界観を伝えながら、『ゲームT』の位置付けを向上させていきたい」と話す。
営業時間は10時~21時。入場無料。6月6日まで。