西武渋谷店(渋谷区宇田川町)で5月27日、アートユニット・明和電機の「製品」などの展示・販売を行う「明和電機ボイス計画宣言」展が始まった。会場はB館8階の美術画廊(TEL 03-3462-3485)とオルタナティブスペース。
アートユニット・明和電機が、2012年までに歌うロボット「セーモンズII」を完成させ、「歌手として世界デビュー」させる「明和電機ボイス計画宣言」の表明を兼ね開催する同展。「セーモンズII」のプロジェクトドローイングを「初公開」するほか、過去の「製品」やそのスケッチ・ドローインの展示などを行う。
今月25日まで、オルタナティブスペースでは同展開催へ向けたティーザー企画「明和電機ボイス計画・社長設計室」を展開。期間中、同ユニット社長の土佐信道さんが「出社」し、展覧会で販売するスケッチやドローイングの準備作業などを行った。土佐さんは「実際に『出社』したのは10日ほど。ファンの方が多く見に来てくださったが、あまり話しかけられることはなく、(作業している様子を)動画で撮影する方などもいた」と話し、「程よい緊張感の中で作業ができた。すてきなアトリエをありがとうという感じ」と振り返る。
会場では、明和電機の活動を開始する3年前(1990年)に土佐さんが見たという「魚に声を盗まれた漁師の悪夢」や未完成製品「歌う魚」のスケッチをはじめ、1995年に制作した腹話術人形「SAVAO(サバオ)」、2003年に制作した人工声帯ロボット「SEAMOONS(セーモンズ)」、昨年5月に発表した「人間のように」笑う機械「WAHHA GO GO(ワッハゴーゴー)」などを展示する。
社長設計室で描いた「セーモンズII」のスケッチ全66枚をセットにした「ボイス宣言スケッチファイル in SHIBUYA 2010,05,11-21」(100部限定、3万1,500円)や同ドローイング4枚(各52万5,000円)をはじめ、「ワッハゴーゴー」のドローイング(21万円~52万5,000円)、ハンドルを回すと顔が開閉する「デカサバオ」(受注生産、840万円)などの販売も行う。
オルタナティブスペースでは、昨年11月に発売した電子楽器「オタマトーン」(白・黒、各2,940円)を展示・販売するほか、や6月上旬に販売予定の「オタマトーンワッハゴーゴーモデル」(ゴールド・シルバー)を展示。現在、予約を受け付けているほか、30日からは先行販売も行う。
土佐さんは「2年後に歌うロボットを開発する夢を宣言したが、できるかどうかは分からない。夢を形にするのがイメージであり、そのイメージを(社長計画室で)描いた。ここが始まりなので、見に来て証人になっていただきたい」と来場を呼びかける。
西武渋谷店高級雑貨部美術係長の宮内克実さんは「当画廊ではコンテンポラリーアートを含め、幅広いジャンルの展覧会を実施している。今回、『明和電機ボイス計画宣言』に賛同し開催を決めた」とし、「土佐さんはツイッターやユーストリームなどでファン層を広げている。普段当店にお越しにならない方も気軽にいらしていただければ」と期待を寄せる。
美術画廊では今月30日、トークイベント「ボイス計画宣言」を開催。当日はデモストレーションを交えて、「ボイス計画の全貌」を解説する予定。
営業時間は10時~20時(木曜~土曜は21時まで)。6月6日まで。