渋谷ロフト(渋谷区宇田川町)近くの裏通りに4月、ファッションをテーマにした複合ビル「FAKE(フェイク)」がオープンし、ファッションカルチャーを独自の視点から発信する新拠点として注目を集めている。
渋谷ロフトに隣接する4階建ての空きビルで、黒いフレームの外階段とガラスタイルの外壁が特徴だった同スペース。4月2日には1階・2階にアパレルショップが、同24日には3階にファッションをテーマにしたギャラリーが続々とオープンすると、各フロアが独自のラインアップを紹介するファッションビルとしての全貌が明らかになった。
運営は「ヘイト&アシュバリー」。下北沢の老舗古着店で、これまで2006年に新宿2丁目に「CANDY(キャンディ)」を、2008年に原宿に「Sister(シスター)」を、翌2009年に円山町に「BOY(ボーイ)」をオープン。古着を中心にした独自のラインアップでコアなファンを獲得してきた。今回の出店は「キャンディ」と「シスター」を移転させたもので、3階の「GALLERY FAKE(ギャラリーフェイク)」は新業態となる。
1階キャンディ(TEL 03-5456-9891)は、国内外のデザイナーによる新作と、ヨーロッパ・アメリカなどから買い付けた古着を取り扱うユニセックスのアパレルショップ。売り場面積は約95平方メートル。「挑戦・反発心」などをテーマとし、ロンドンの若手デザイナーの新作を中心にした日本では取り扱いの少ない商品が並ぶ。「新宿店では古着が中心だったが、徐々に新作の取り扱いが増えてきている。フェイクの顔である路面店として、時代や流行にキャンディなりにリアクションしながら、自分たちのスタイルを伝えていきたい」(ギャラリーフェイクディレクターの濱中敦史さん)。
2階シスター(TEL 03-5456-9892)は、「女性が考えるかっこいい女性」をテーマとするレディス古着店。ヘッドドレスやブレスレットなどの新作アクセサリーも扱い、女性スタッフ主導でセレクトし、「女性性」を強く意識した商品展開が特徴。売り場面積は約90平方メートル。
3階ギャラリーフェイク(TEL 03-5456-9893)はファッションをテーマにした展示スペース。店舗面積は79平方メートル。「ビルへの移設が決まったとき、全フロアが一体となってフェイクとしての『ファッション』を伝えられるのではと考えた」と濱中さん。「1階・2階では、『洋服』を通してファッションを提案する」一方で、3階では作品展示やトークイベント、ワークショップなどを展開する多目的スペースとして、「洋服の枠ではとらえきれないファッションの可能性・幅広さ」を紹介していくという。こけら落としはロンドンの気鋭デザイナー、クレイグ・ローレンスさんと、ファッションユニット「JUNYA SUZUKI(ジュンヤ スズキ)」の2ブランド展。ローレンスさんはLADY GAGA(レディーガガ)への衣装提供でも話題を集めた。
各フロアスタッフの平均年齢は25~26歳。「ルールや固定概念でファッションをとらえるのではなく、東京・渋谷ならではの『MIX感覚』を、僕たちの世代なりのアプローチで展開していきたい」と濱中さん。「さまざまな層が混在する渋谷で、フェイクが多くの人たちの目に触れて、お互いにどうクロスオーバーしていくのかが楽しみ」とも。
営業時間は12時~22時。