日本のカルト映画を代表する塚本晋也監督の最新作「鉄男 THE BULLET MAN」の公開を前に、「シアターN渋谷」(渋谷区桜丘町、TEL 03-5489-2592)で現在、同監督の過去作品を一堂に集めた特集上映「塚本晋也大図鑑 SHINYA TSUKAMOTO FILM FESTIVAL 2010」が行われている。
東京を舞台に「主人公の肉体が鉄に侵食される」という設定を白黒のコマドリ映像と金属的な音響で表現した「鉄男」(1989年)を皮切りに、殴り合いをモチーフに男女の愛を描いた「東京フィスト」(1995年)、解剖実験にのめり込む医学生をとらえた「ヴィタール」(2004年)など、独自の世界観で知られる塚本監督。
「鉄男 THE BULLET MAN」は、「鉄男」「鉄男II BODY HAMMER」(1992年)が日本のカルト映画を代表する作品として国内外で人気を博したことを受け、アメリカ版が企画化、クエンティン・タランティーノさんが製作に名乗りを上げるなどの話題もあったが、最終的には「かつての『鉄男』シリーズと同様の自主制作スタイル」で東京を舞台にした英語作品として完成した。
映画祭では、同作がシネマライズ(宇田川町、TEL 03-3464-0051)などで5月22日から公開されるのを記念して、塚本監督が1987年から2008年までに手がけた映画、TV作品をレイトショー公開。塚本監督がPFFアワードでグランプリを獲得した「電柱小僧の冒険」(同15日)、オムニバス映画「female」での短編「玉虫~female~」(2005年、同14日・18日)など全14作品を一挙上映する。
会場では関連イベントとして同21日、最新版「鉄男」に主演したエリック・ボシックさん、塚本監督を招いたトークイベントも予定する。
上映時間は21時~。5月21日まで。