東急百貨店本店向かいの貸しオフィスで4月21日より、渋谷駅前のスクランブル交差点をミニチュアや看板で再現するインスタレーション「カンバンショー 四次元」が展示されている。
主催は、空間プロデュースを手がける「FRM TOKYO」(渋谷区恵比寿西1)。同社は、サブカルチャーのグッズを扱うセレクトショップとして2000年、恵比寿にオープン。「同じカルチャーに携わる人々が集まってきた」(FRM代表の森正樹さん)ことから店内で音楽イベントなどを開催し、2005年からは同店の看板をアーティストに開放、ペインティングを施して展示する企画「カンバンショー」をスタートした。2006年の閉店後もクラブハウスやギャラリーなどを会場に音楽・アートイベントなどを展開し、カンバンショーは同社の主力企画の一つに。
今回の展示は、東急百貨店本店向かいの貸しオフィス兼催事場(渋谷区宇田川町)を会場に、レッドブル・ジャパン(港区)の協力を得て展開する。「渋谷・原宿はグラフィティやスケボーなどのサブカルチャーの発信地」と森さん。そうした渋谷に「最近は元気のない話が目立つ」ことから、空き物件をアートスペースとして活用することで、「街のすき間に人が集まる場所を作ること」を目指す。
会場では、渋谷駅ハチ公口周辺を「四次元的」に再現。スクランブル交差点を中心に、一方には渋谷駅を配してタトゥーを入れたハチ公が待ち受け、逆サイドには「shibuya109」のシリンダーが立つ。渋谷駅前の映画館「渋谷宝塚劇場」(現Q-FRONT)や、東横百貨店(現東急東横店東館)屋上と玉電ビル(現同西館)屋上との間を往復したロープウエー「空中電車ひばり号」などもレイアウト。「僕らならこういう街にしたいという気持ちを込め、(かつて渋谷にあった)いいものを残して、現在の新しいものと融合させた」と森さん。
ビルや駅などのミニチュア・オブジェ制作は、美術プロデュースを手がける「NOUVELLE VAGUE(ヌーベルバーグ)」(目黒区東山)が担当し、アーティストの「dem(デム)」「dopesac(ドープサック)」「diskah(ディスカー)」らが、電飾カンバンに渋谷にちなんだイラストなどを描いた。ビルのオブジェは、上部を大きめにすることで「子どものころビルを見上げた風景を再現した」とも。
開催時間は11時~21時(21時以降も外窓から設営風景を鑑賞することが可能)。入場無料。今月29日まで。