「シブヤ経済新聞」開設10周年-街の記録係としてこれからも

2001年11月に刊行した「シブヤ系スタイル徹底研究」(東急エージェンシー)

2001年11月に刊行した「シブヤ系スタイル徹底研究」(東急エージェンシー)

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 広域渋谷圏のビジネス&カルチャーニュースを伝えるサイト「シブヤ経済新聞」が4月7日、開設10周年を迎えた。

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 当時、渋谷周辺は「ビットバレー」と呼ばれITベンチャーが集積していたが、ネット媒体のパワーはまだ発揮されていなかった時代。逆に、タイアップ記事が主となるフリーペーパーが乱立していた時代でもあった。

 こうした中、取材先から広告費などをもらうことなく、店のオープンやイベントも街のニュースの一つとして配信する媒体のあり方を模索。渋谷の街を「消費の側面からとらえる」ことをコンセプトにサイト名を「シブヤ経済新聞」と定め、取材エリアについても渋谷からほぼ1駅圏に限定し、これを「広域渋谷圏」と名付けた。

 その後、J-WAVEのワイド番組「e-STATION」(ナビゲーター=渡辺祐さん、みんしるさん)内の1コーナーとのコラボが決まったことから、初回放送日となった2000年4月7日に合わせてサイトが立ち上がった。ちなみに、「渋谷マークシティ」「東急フードショー」も同日オープンした。

 以後、シブヤ経済新聞・西樹編集長が同コーナーに毎週出演し、サイトに掲載した最新特集を解説するなどで渋谷の動向を伝え続けた。2004年4月から1年間はシブ経編集部の女性スタッフが出演し、渋谷センター街のティーンの生態を伝える連動コンテンツ「ティーンズ・ラボ」を展開した。

 2001年11月には、動きの激しかった2000年から2001年にかけての渋谷の動向をまとめた単行本「シブヤ系スタイル徹底研究」(東急エージェンシー)を刊行。2006年からは「ヤフーニュース」への配信も開始した。

 「『情報発信基地』などと呼ばれる渋谷だが、それは日々のさまざまな動きが集積したもの。ディテールとなる日々の動きを大人の視点、消費の視点から『定圏観測』する地域ニュース媒体を目指した」と西編集長。「ビジネスモデルが先にあったというより、個人的に欲しい媒体を作ったらこうなった」とも。

 2004年4月には、シブ経の運営スタイルを踏まえて「ヨコハマ経済新聞」を地元NPOと開設、2005年からは六本木経済新聞、天神経済新聞など全国への広がりをみせる。ネットワークは「みんなの経済新聞ネットワーク(通称=「みん経」)と名付け、シブヤ経済新聞を運営する花形商品研究所(渋谷区恵比寿西1)内に本部を置く。4月現在の展開数は、国内=51エリア、海外=4エリア。モバイルやiPhone向けの配信も行っている。

 「気がつけば10周年。旬の間はニュースだが、時間がたてばアーカイブス。これからも『街の記録係』として、広域渋谷圏の変化をコツコツと記録し続けていきたい」(西編集長)。

 今年は10周年を記念して、トークイベントなども企画していく。

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