映画配給などを手がけるアップリンク(渋谷区宇田川町)は4月8日、初の音楽レーベル「UPLINK RECORDS」を立ち上げ、第1弾としてシンガーソングライター鈴木祥子さんのCDシングルなどをリリースする。
映画・映像ソフトの製作・配給、劇場「アップリンク・ファクトリー」やウェブマガジン「webDICE」の運営、出版などを幅広く手がける同社。「映画業界以前に音楽業界も大変な状況」(社長の浅井隆さん)としながら、同社の持つ劇場やウェブマガジンなどの「ディストリビュート機能」を生かすことで「音楽の世界でもまだまだ『面白いこと』ができるのでは」と音楽制作に本格的に乗り出す。
併せて、ノイズバンド「非常階段」のリーダー・JOJO広重さんが主宰するインディーズレーベル「アルケミーレコード」とも業務提携。同レーベルではこれまで非常階段のアルバムを含むノイズ全般・パンクなどを中心にリリースしてきたが、今後はアップリンクレーベルに製造・販売・流通・在庫管理などの業務を委託し、新作CDのリリース、バックタイトルの再発売などを共同で展開していく。
今回リリースするのは、鈴木さんが歌う新作シングル「my Sweet Surrender」(1,500円)・DVD「無言歌」(5,040円)と、アルケミーとの共同制作による復刻盤「ベスト・オブ・エンジェリン・ヘヴィ・シロップ」(2,100円)、JOJO広重さんがプロデュースする新作コンピレーションアルバム「日曜日のうた」(2,100円)。
「無言歌~romances sans paroles~」は鈴木さんが出演・撮影・主題歌を手がけたドキュメンタリー映画で、昨年同ファクトリーで公開した。ファクトリーでは4月17日・18日、「無言歌」のリリースを記念して鈴木さんとゲストを招いた上映ライブ&トークイベントを開催する(各日18時~、2,000円)。
今後について、浅井さんは「自分の信じるいい音楽を伝え、それを創造するアーティストが継続して活動できる環境を一緒に作っていければ。何もないところから音楽を生み出すミュージシャンを尊敬するレコード会社でいたい」とブログに記している。