ソニーコンピュータサイエンス研究所の「三人の研究者」展-渋谷・ルデコで

「Communication Toilet」は、「トイレの中と外の人が仲良くなり、励まし合いながらトイレタイムを乗り切ることを可能にする装置」(大和田さん)

「Communication Toilet」は、「トイレの中と外の人が仲良くなり、励まし合いながらトイレタイムを乗り切ることを可能にする装置」(大和田さん)

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 渋谷の「ギャラリー・ルデコ」(渋谷区渋谷3、TEL 03-5485-5188)で2月26日~28日、コンピューターサイエンスを研究する3人の博士による作品展「三人の研究者」展が開催される。主催はソニーコンピュータサイエンス研究所(品川区)。

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 参加するのは、学術博士のAlexis Andreさん、芸術工学博士の藤木淳さん、情報理工博士の大和田茂さん。もともと学会を通じて「意気投合した」という3人が、作品展示を通じて各研究テーマを紹介する。

 展示会初挑戦となるAndreさんは、フランス出身で2002年に来日し、昨年秋より同研究所に勤務する。学生時代からメディアアートに興味を持っていたというAndreさんは今回、音を「虫」の映像に変換して可視化する装置「Sound Bugs」を開発。動き回る虫の映像を「ちぎったり」「混ぜたり」することで音を作り出すことも可能だという。「自分の手で『音』に触れる楽しさを知ってもらえれば」。

 藤木さんは「『物理法則からの解放』のきっかけとなる表現」を研究する日本学術振興会特別研究員。モニターに映し出された3次元コースに従うように実際のロボットが現実の台上を動き回る作品「2D.3D」は、「現実世界よりも仮想世界が優先された世界の構築」を目指して制作した。

 2005年から同研究所に務める大和田さんは、もともと論文執筆が中心の「研究畑」出身。就職後に「ちょっと笑える装置」の開発を目指すようになったといい、今回は「トイレ」をモチーフに、扉を隔てた人同士がノックやタッチパネルを使ってコミュニケーションを展開する作品「Communication Toilet」を出品する。「トイレでは、待っている人も中にいる人も多少焦っているもの。だから逆にこの状況をほほ笑みに変えることができるのでは」(大和田さん)と開発した。

 同研究所は1988(昭和63)年に設立。「研究とは本来個人が自発的に行うもの。研究所はそれをサポートする存在」として、研究者は各自が独立して研究に挑み、論文や研究用ソフトウエアなどの研究成果は研究者個人の名義で発表される点が特徴。

 営業時間は11時~19時(最終日は17時まで)。入場無料。

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