東京都写真美術館で「恵比寿映像祭」-新旧アーティスト100人作品

沖縄を舞台に戦争をテーマにした作品を展開する山城知佳子さん。恵比寿映像祭では1階劇場での上映・展示・渋谷の大型ビジョンでの上映と幅広く作品を紹介する

沖縄を舞台に戦争をテーマにした作品を展開する山城知佳子さん。恵比寿映像祭では1階劇場での上映・展示・渋谷の大型ビジョンでの上映と幅広く作品を紹介する

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 東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)で2月19日、「映像」をモチーフに国内外から約100人のアーティストによる約160作品を集めた大型複合企画「恵比寿映像祭」が始まる。

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 10日間にわたり、同館全フロアと恵比寿ガーデンプレイス・センター広場などを会場に、「上映」「ライブ」「展示」など幅広い方法で表現された映像を一挙に紹介する「アート&映像」の総合フェスティバル。2008年のライブ・イベント「映像をめぐる7夜」を前身に昨年からスタートし、「1995年の開館以来、『映像』の意味や役割はドラスティックに変化している。映像を扱う美術館として、映像のあり方をどうとらえていけばいいのか」(恵比寿映像祭ディレクター岡村恵子さん)という課題へ今年も挑む。

 今回のテーマは「歌をさがして」。前回のテーマ「オルタナティヴ・ヴィジョンズ」では、「映像の多様性を体現するために幅広いジャンルから映像表現を集めたが、鑑賞者が好みの表現だけに集まって『モザイク状』になってしまったことが課題だった」と岡村さん。今回は好みの異なる鑑賞者らがどうすれば「混ざり合うのか」を考え、「歌」をヒントに「誰もが持つ感性の源泉を掘り下げること」を目指すという。

 16プログラムから成る「上映」部門では、イスラム社会におけるジェンダーを問うアート作品で国際的に高く評価されるシリン・ネシャットさんの初の劇場用長編映画「男のいない女たち」をアジアプレミア上映。そのほか、「アート・フィルム」「映画」を横断しながら活動するデンマーク出身のイェスパー・ユストさんの日本初の特集上映や、大映映画傑作選など、国際色豊かな新旧の映像作品をラインアップする。

 同館の3つの展示室に及ぶ「展示」部門では、往年のマレー映画の名作を自作自演で再演するミン・ウォンさんのビデオ作品や、メディアの変遷とともに失われつつある「レーザーカラオケ」に「忘れられた日本の映像作家の神髄を探る」都築響一さんのインスタレーションなどを公開。

 恵比寿ガーデンプレイス・センター広場には藤本隆行さん、真鍋大度さん、石橋素さんが手がけるLED照明による光と音のインスタレーションを設置するほか、渋谷のセンター街周辺に既存する大型ビジョン7つでは、沖縄をテーマにした山城知佳子さんの映像作品を上映するなど、同館外へのアプローチにも積極的に取り組む。

 開館時間は10時~20時(最終日は18時まで)。入場無料(上映プログラムなど一部有料イベントを除く)。2月28日まで。

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