中目黒駅近くの山手通り沿いに2月6日、ピザ職人山本尚徳さんがピッツェリア「Pizzeria e trattoria da ISA(ピッツェリア エ トラットリア ダ イーサ)」(目黒区青葉台1、TEL 03-5768-3739)をオープンした。
20歳ごろからイタリア料理店で働いていたオーナーシェフの山本さん。2002年からイタリア料理店「ナプレ」(港区南青山5)でシェフを務めていたが、2006年に同店を一時休職しイタリアに渡る。ナポリのピザ職人、故エルネスト・カチャッリさんに師事し、本格的にピザ職人を目指し修業。帰国後、2007年に初出場した「世界ピッツア選手権」でオリジナル部門優勝と総合優勝し、2008年には同大会で2年連続のオリジナル部門優勝、芸術部門でも優勝を果たす。昨年には、同大会マルゲリータ部門で3位入賞した。
山本さんは「応援してくれるお客さまが多く、『早く店を出しなよ』『山本さんの店に行きたい』と言ってくださったりしていた」とし、「本格的なピザ屋は増えてきて日本でもピザのあり方が定着してきたが、本当のナポリの店はまだ東京にない。だから、僕がやらなくてはいけないと思った」と話す。
恵比寿や六本木など「食に対した意識が高い人、舌が肥えた人たちが多い街」で出店先を探していた山本さん。偶然見つかった同所は「ピザ屋が5・6店集中している数少ないエリア(=中目黒駅)だった」という。店名は、山本さんがナポリの人たちから呼ばれていた「ISA」とイタリア語で「~の、~からの」という意味を持つ「da」を組み合わせて命名した。
店舗面積は約70平方メートルで、席数は36席ほど。ファサードは透明のアコーディオンカーテンを全体に取り付け、「店内が見えて入りやすいよう」にした。店内の床や壁面はイタリア製のタイルを張り詰めたほか、大理石のテーブルや木のいす、あえて蛍光灯を使うなど、「イタリアにあるピザ屋をイメージした」という。「ナポリにある名店の窯をほとんど作っている」窯職人をナポリから呼び寄せ、約17トンの石を使って仕上げた窯は8枚ほどのピザを焼けるほどの大きさに仕上がった。
粉やチーズなどイタリア産の食材を使ったピザを提供する同店。平日のランチのみ「マルゲリータ」「マリナーラ」「ピッツアフリッタ ダル プレジレンテ」など10種以上のピザを1,000円で提供するほか、持ち帰り用としてハーフサイズのピザ「PIZZA FUORI」(500円)も用意。モッツァレラチーズの入ったコロッケ「CROCCHETTA」(250円)やエビのセモリナ揚げ「GAMBERONI」(1,000円)なども。ディナーでは「タランティーナ」(1,800円)、「オルトラーナ」「カブリチョーザ」(以上2,200円)など30種以上のピザをはじめ、「PROSCIUTTO CRUDO(生ハム)」(1,000円)や「SALSICCIA NAPOLETANA(ナポリ風ソーセージ)」(1本650円~)、「VONGOLE VERACE(アサリのスパゲティ)」(1,750円)などのイタリア料理も提供する。
山本さんは「(平日のランチは)ある一定の数を回さないと赤字になる。それだけ命を懸けているし、店に対する情熱は負けない。お客さまにナポリを感じてもらい、『ピザを食べるなら当店』と言ってもらえるようになれば」とし、「それだけの努力をしてきたし、現地と全く引けを取らない味を提供できると思っているから、間違いなく満足させることができると思う」と自信をみせる。
営業時間は、ランチ=11時~14時30分(土曜・日曜=15時30分まで)、ディナー=17時30分~23時30分。