渋谷・上原で気鋭アーティスト河野里沙さん初個展-キラキラした「理想郷」描く

河野里沙さんの新作「The afterlife was sparkling」(キャンバス、油彩)©Lisa Kohno 

河野里沙さんの新作「The afterlife was sparkling」(キャンバス、油彩)©Lisa Kohno 

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 若手気鋭アーティスト河野里沙さんの初個展「Silent Paradise」が現在、渋谷・上原のギャラリー「GALLERY at lammfromm(ギャラリー アット ラムフロム)」(渋谷区上原1、TEL 03-5454-0450)で開催されている。

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 河野さんは1982(昭和57)年東京都生まれ。昨年東京芸術大学大学院美術研究科修士課程を修了し、同年に日本の主要な美術大学・大学院の卒業制作展から優秀作品を選出する「アートアワードトーキョー丸の内」で「シュウ ウエムラ賞」を受賞した。受賞作は、絵画作品「森の中の静寂な楽園」(2009年)。キャンバスに「幻」「凛」「酷」などの言葉を並べた綿密な下絵と、グラデーションを効果的に使用した「幻想的かつフェミニン」(シュウ ウエムラAD打出角康さん)な作風が評価された。

 芸大在学中からのグループ展への参加を経て、本格的な個展は初となる今回。会場では、河野さんがこれまで1年以上かけて取り組んできた、自分自身の「理想郷」をテーマとした新作ペインティング6点を公開する。

 「The afterlife was sparkling」「The afterlife was twinkling」の2作は、「目を大きく見開いて驚く女の子」「静かな表情で遠くを見つめる女の子」がそれぞれ「キラキラした光」に包まれる様子を描いた作品。多くの作品に描きこまれるハート、リボン、チョウなどのモチーフは「自分を取り囲む守護神のイメージ」だという。ラムフロムプレスの根本佳代さんは「かわいいモチーフに引かれる反面、ただかわいいものを描くのではなく、冷たさを伴うような静かな、作家自分が心安らぐ世界を描いている」と評する。

 展示から1カ月が過ぎ、会場には「現代の女の子が持つ『リボン』『ハート』などの愛らしいモチーフに引かれる」人や「作品全体から漂うひんやりとしたイメージ、死や理想郷といった奥深いテーマに引かれる」人などが訪れるという。「過去の作品ファイルを含め、1点1点じっくりとご覧になる方が多い」と根本さん。

 営業時間は12時~20時(土曜=11時~、日曜・祝日=11時~19時)。入場無料。2月22日まで。

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