「ええですやん」をキーワードにラ・フェンテ代官山(渋谷区猿楽町)でアート作品を展示販売する期間限定ショップ「PIRATES OF MISEDESUYAN(パイレーツ・オブ・ミセデスヤン、以下POMY)」が、閉店まであと10日を残すところになった。
昨年12月にオープンした同店。フリーマガジン「PARTNER」など美術大学生のネットワークを生かした事業を展開するモーフィング(国分寺市)が企画運営し、若手デザイン集団「tymote(ティモテ)」(新宿区)がディレクションを手がける。美大生時代の同級生など20代半ばを中心にした「アート仲間」50人を集めて、絵画作品からインスタレーション、アパレルや手作り雑貨まで幅広い「作品」を一堂に展示し、販売も行う。
もともと空き店舗だったという会場は、ピンクや紫などのカラフルな壁紙で演出。ラックや仕切り板などの什器は参加メンバーで製作し、ノート、シール、ケースなどの雑貨やTシャツ、アクセサリーなど幅広い作品を並べ、壁には写真や絵画、グラフィックなどを作家を紹介するカードとともにレイアウトした。
ウインドーディスプレーを担当したのは、ティモテとは大学の知り合いだったという男性デザインユニット「magma」。派手にラッピングしたテレビにアニメ映像を流しながら、奥ではカラクリ人形がレールを走るインスタレーションが展開。背もたれ部分が腕になったいすなども置いて、個性的なインテリアに仕上げた。
「店名は、若手のアーティストが集まって市場に乗り込んできたという海賊船のイメージで名付けた。海賊の自由な感じも魅力」とティモテのデザイナー飯高健人さん。コンセプトなどは特に決めず、参加メンバーは「自分たちが『ええですやん』と思える作品であること」を基準に知り合いに声を掛けたという。
オープンから1カ月が過ぎた。これまでのところ、アート関係者のみならず一般客の来場も多いという。飯高さんは「これまでアート施設での展示が中心だったが、今回初めて商業施設に出展したのが刺激的だった」と振り返りながら、「今後もPOMYとして作家や作品を増やしながら、面白おかしく盛り上がりたい」と話す。
営業時間は11時30分~20時。月曜定休。1月27日まで。