政権交代で期待を託すも不況の出口が見えなかった2009年、シブヤ経済新聞でもこうした時代感を背景に、千駄ヶ谷にオープンした大人の「勉強カフェ」の人気を伝える記事が年間PV(ページビュー)1位に輝いた。ランキングは、今年1月1日から12月27日までに配信したヘッドラインニュースのPVを集計したもの。
上半期1位の「花畑牧場『ホエー豚亭』が外苑前に都内1号店」は年間3位に着けたものの、12月27日で閉店した。同3位の「藤田志穂さん、『ギャル社長』引退」も、藤田さんが中心となった「ノギャル」ブームと連動するかたちでアクセスが続き、年間5位に踏みとどまった。
10位までのランキングは以下の通り。(カッコ内は掲載日)
1. 千駄ヶ谷に大人の「勉強カフェ」-勉強仲間見つける場、人気に(6/29)2. 表参道イルミネーション、11年ぶりに復活へ-63万個の電飾でライトアップ(10/22)3. 花畑牧場「ホエー豚亭」が外苑前に都内1号店-生キャラメル販売も(2/9)4. 渋谷駅南口の「モヤイ像」、姿消す-ルパン三世が「犯行声明」?(12/7)5. 藤田志穂さん、「ギャル社長」引退-後任に前副社長、社名変更も(1/8)
6. 青山通りに大型商業施設「Ao」-出店テナント40店明らかに(2/5)
7. NYセレクトショップ「オープニングセレモニー」、渋谷にオープン(8/30)
8. 渋谷にルミネ初のメンズ館「ルミネマン渋谷」-「渋カジ復活」テーマに(7/24)
9. 「フォーエバー21」上陸へ-原宿に日本1号店、「豊富さ安さ」ウリに(4/28)
10. 渋谷区もじり「粒谷区」、Twitterで話題に-区民登録2,000人超える(10/20)
いろいろな経緯を経て復活した2位「表参道イルミネーション、11年ぶりに復活へ」は、まさに明るいニュース。表参道ヒルズとの初コラボともなるだけに、大きな期待が寄せられた。点灯は1月10日まで。4位「渋谷駅南口の『モヤイ像』、姿消す」は、まだ記憶に新しい話題。待ち合わせのアイコンとなっているモヤイ像が、ある朝突然姿を消すというアイデアは、まさに渋谷発の口コミ効果を強烈なインパクトで誘発した好例。今月21日朝には元の位置に戻された。
6位~9位は商業施設やショップの新店情報が並んだ。今年3月、紀ノ国屋跡にオープンした骨董(こっとう)通り入口の新ランドマーク「Ao(アオ)」が6位に、西武渋谷店「モヴィーダ館」全館を使いオンワード樫山が手がけるNY初のセレクトショップ「OPENING CEREMONY(オープニングセレモニー)」が7位に、タワーレコード渋谷店隣の旧JR変電所跡地に登場した「ルミネマン渋谷」が8位となり、「H&M原宿」隣に4月に日本初上陸した「フォーエバー21」がこれに続いた。広域渋谷圏では巨大な開発プロジェクトはなかったものの、相変わらず商業施設やショップが激しい動きを見せた1年でもあった。
10位には、ツイッター人気を反映して「渋谷区もじり『粒谷区』、Twitterで話題に」がランクイン。ホフディランのボーカル小宮山雄飛さんがツイッター内で「渋谷区とつぶやくも似てる」と発言したことをきっかけに、「加速度的に」(小宮山さん)話題が広がった。その後、開設された粒谷区のホームページ上で情報を集約しながら、実際の店舗でサービスが受けられる「区民パス」なども登場し、さらに広がりを見せている。
2010年春には、宮下公園がネーミングライツ契約により「宮下NIKEパーク」となるほか、東急文化会館跡地の高層ビル完成や東京メトロ副都心線と東急東横線の相互直通運転を2012年に控えるなど、東口の動きに激しさを増す渋谷。一方で、ヤマダ電機やH&M登場で再び活性化したBunkamura通りを中心とした宇田川町から神山町方面にかけての動きも見逃せない。2010年も、広域渋谷圏の動向をいち早く伝えていきたい。