人形作家・渡辺葉子さんが原宿で個展-「パタリロ!」表紙人形も

全長160センチの花魁人形「乙姫」

全長160センチの花魁人形「乙姫」

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 文庫本「パタリロ!」(白泉社)の表紙用人形の制作などで知られる人形作家・渡辺葉子さんの個展「COMPLEX × COMPLEX」が11月20日、原宿「ラップネットシップ」(渋谷区神宮前1、TEL 03-5411-3330)で始まった。

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 渡辺さんは高校在学中に豆ダルマの制作をはじめ、クレヨンハウス(港区北青山3)などで販売。短大在学中には、雑誌表紙や広告用の立体人形の制作を開始し、卒業後はNHK番組「ノッポさん」シリーズのペーパークラフト小道具を手掛けた。現在は講師として造形指導に当たりながら、コスチュームジュエリーや、手芸、フェルト作品、ドールなど、幅広い制作活動を続けている。

 同展は、渡辺さんの人形に魅力を感じ、1年前からプロデュースを担当するブレイネ(桜丘町)が企画。これまで大人のファンが多かったという渡辺さんの作品を「若者へ向けてアピールする機会になれば」(同展プロデューサーのイチカワ清士さん)と、ラップネットシップに企画を持ち込んだ。展示タイトルは「劣等感」のほか「複雑な」などの意味を持つ言葉「コンプレックス」に、「『裏と表』『善と悪』など、一見真逆の2つの世界観を表裏一体のものとして表現したい」という思いを込めたもの。

 会場には、渡辺さんの代表作品の一つである「パタリロ!」の表紙用人形シリーズから4作品、「パタリロ!西遊記」から5作品が並ぶ。そのほか、全長160センチの等身大花魁人形「乙姫」や、約60センチのドクロ柄招き猫「平等な輪廻転生」、渡辺さん自身を表現するストーリーを切絵で表現した新作「相関図」なども扱い、人形や花や動物などをモチーフに「混沌(こんとん)とした心の奥の闇と、それを隠すように美しくあろうとする様子」を伝える約50点の作品を集める。

 物販ブースでは、張り子の招き猫に絵付けした「招き猫」(13,000円)、同展に向けて制作した金魚のピンバッチ(600円)やエコバッグも販売。

 開催時間は12時~20時。入場無料。今月25日まで。

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