「青山ご開帳」始まる-青山一帯でゆかりの宝物60点を一挙公開

鮮やかなピンクのキース・ヘリング作品が、青山通りの茶具店「中村園茶舗」のショーウインドーに出現

鮮やかなピンクのキース・ヘリング作品が、青山通りの茶具店「中村園茶舗」のショーウインドーに出現

  • 0

  •  

 青山一帯を展示会場に、青山に縁のあるクリエーターや地元住民らの「宝物」を一挙公開する地域イベント「青山ご開帳2009」が11月6日、始まった。企画はワタリウム美術館キュレーターの和多利浩一さん。

ウルトラマンのビートル

[広告]

 仏教や寺院で秘仏とされる本尊や仏像を定期的に限定公開する「ご開帳」になぞらえ、青山に事務所を構えるクリエーターや文化施設、地域住民らが所蔵する作品や記念品などの「宝物」約60品を、10日間にわたり一堂に公開。会場には商店や飲食店など青山一帯に及ぶ30カ所を選定。来街者に街を回遊しながらの作品鑑賞を促すことで、展示品と展示会場の両面から同地域の魅力をアピールする。

 出品するのはアートディレクターの浅葉克己さん、イラストレーターの安西水丸さん、建築家の隈研吾さん、ミュージシャンの細野晴臣さん・坂本龍一さん、作家の村上春樹さんら、青山に事務所を構える先進クリエーター6人に加え、文化施設「ワタリウム美術館」(渋谷区神宮前3)、「岡本太郎記念館」(港区南青山6)と地域住人ら。

 骨董通りのアクセサリーショップ「ヴァンドーム青山本店」(南青山5)には、隈さん所蔵の20世紀初頭の建築家ブルーノ・タウトによる文房具を展示。同店では隈さんがデザインしたアクセサリーを展示販売しており、会場では2人の建築家のデザインワークを比較観賞できる仕組み。

 スノードームのコレクターとしても知られる安西さんは、「ドームの土台部分の装飾が凝っている」(和多利さん)最新コレクションから、神宮前の2会場(バー「GALALI」、西洋豆本の店「リリパット」)で計6点のドームを出品。かつては千駄ヶ谷でジャズ喫茶も営んだという村上さん所蔵のジャズレコードは、ワタリウム美術館地下のカフェ「オン・サンデーズ」、文化施設「スパイラル」1階、「岡本太郎記念館」の3会場に配した。

 そのほか、和多利さんの同級生が店主を務めるという茶具店「中村園茶舗」(南青山2)では、ワタリウムが所蔵するキース・ヘリングの鮮やかなイラストレーションをウインドー越しに並べ、c同茶具店店主の持ち物で、円谷プロが実際に撮影で使用したというウルトラマンの「ビートル」はアパレルショップ「CABANE de ZUCCa 南青山」(南青山3)に置くなど、作品と場所、場所と場所との関連性の高さも、同イベントの特徴の一つ。

「青山に限らず『街のジマン』はどこにでも眠っているはず」と和多利さん。「今回のイベントが、それぞれの地域の特性やキャラクターを生かした『地域おこし』『自分おこし』の発見につながれば」と期待を寄せる。「今後は3年~5年に1回位のペースで、長い意味で定期的に続けていきたい」とも。

11月14日13時からは、岡本太郎記念館を出発点に約1時間30分のツアー「青山ご開帳バス」を運行する。岡本太郎記念館、LAZY SUSAN AOYAMA、ワタリウム美術館を巡回するバスは連日運行。運行時間は公式ホームページで確認できる。今月15日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース