代官山の街並みに期間限定でパブリックアートを設置する公募展「代官山インスタレーション2009」が現在、代官山ヒルサイドテラス(渋谷区猿楽町)を中心にした代官山周辺で開催されている。
「アート作品で街歩きを楽しくしたい。コミュニケーションの契機にしたい」という地元からの発意でスタートした同展は、1999年から2年に1度開催し今年で6回目を迎える公募形式のパブリックアート展。代官山ヒルサイドテラスを中心に、旧山手通り、八幡通り、中目黒駅周辺にわたる18カ所を「公募スポット」として、「この場所にこんな作品があったら」という企画案を一般公募。アートディレクターで同展代表の北川フラムさん、建築家の槇文彦さん、美術評論家の中原佑介さん、アーティストの川俣正さんが審査員となり、各スポットの特色を「生かした」約10作品を毎年制作・仮設展示してきた。
469件の応募があった今回は、旧山手通り、中目黒駅周辺に及んだ10作品を選出。ガラスのファサードが特徴のヒルサイドテラスF棟では、路面と建物内をつなぐような作りのベンチを設置(「縫合」=佐々木尚之さん)。多目的スペース「プラスイング アティック」(猿楽町)には、建物を人物の顔に見立てて屋上に1万2千本のワイヤーによる「髪の毛」を設置した高橋寛さんの作品「他知人」も出現している。
そのほか本物の土を階段にはり付けて「地層」を表現した「代官山ローム層」(中目黒GT、小林祐さん・小林麻莉菜さん)、若者の「たまり場」に園芸用品の繊維を使った仮設のファサードを取り付けた「モクモクモクー3週間分のケンチク」(ハリウッドランチマーケット・フリースペース、石川智行さん・天野由佳さん)など個性豊かな作品が出そろった。
関連イベントとして、11月23日にはプラスイング アティック(猿楽町)でサウンドパフォーマンスを行う(14時~、要予約)ほか、同8日・15日には10作品の見どころを歩きながら解説する見学ツアーも開催(14時~、ヒルサイドテラスA棟前に集合)する。
11月23日まで。