「赤る(=赤外線通信する)」「肉、草(=肉食系、草食系)」など渋谷の若者が使う流行語を解説する「渋谷語事典’09-’ 10」が10月10日、トランスワールドジャパン(渋谷区渋谷2)から発売された。
「渋谷語事典2008」の続編として発売された同書は、実際に渋谷の街に出て聞き取り調査などを行っている渋谷語制作委員会が編集を手がけた。「昨年(「渋谷語事典2008」)は自身の子どもの世代でもある10代とコミュニケーションを図るため、30~40代の大人が多く購入してくださった」と同社書籍編集部の尾針菜穂子さん。
最新版では、「ポニョる」「渋セン」などに代表される「ギャル語・略語」や「H&M」「KY」などイニシャル風に言葉を略す「KY語」、「心友」「鬼電、盛電」など漢字を「特有の読み方」にする「ネオ漢字」の3つのカテゴリーに分類した230の言葉を使用例や関連語とともに収録している。
「ギャル語」では「ポニョる」「メガる」など同じ「太る」という意味を指す複数の言葉が生まれたり、髪の毛を「盛る」ことを表現する言葉は「ガツ盛り」「ガチ盛り」「ナチュ盛り」など表現が豊かになっている。
「空気読めない」を表現する言葉として広がった「KY」は、「恋の予感」「今夜が山」など複数の意味を持つ言葉として「進化」を遂げた。「FM(二股)」「NHK(日本貧乳協会)」「TBS(テンションバリ下がる)」など、既存の言葉を使った「KY語」も新たに生まれている。
「ネオ漢字」ではケータイ文化も背景に、「ハブられた人=ほっとけ」を意味する「仏様」や、ニートを意味する「自宅警備員」などのユニークな当て字も登場。
同書では、総合プロデュース事業を行う「アイエイチ・ラブ」(恵比寿西1)社長でギャル評論家の西本裕美さんのコラム「ギャルの現状と将来予想」も掲載する。
西本さんは「以前は『KY』などの略語が多かったが、最近は『はんにゃー』『自転シャーズ』など、連想しやすい言葉が増えてきたように感じる」と話す。「最近のギャルは、黒肌、白肌などギャルの中でも細分化されているので、『黒肌ギャルの渋谷語』『白肌ギャルの渋谷語』などギャルのタイプで言葉も細分化していくのでは」と分析する。
体裁は176ページで価格は1,000円。