米ニューヨークのセレクトショップ「OPENING CEREMONY（オープニングセレモニー、以下OC）」が日本初上陸――渋谷・公園通り沿いに位置する西武渋谷店「モヴィーダ館」（渋谷区宇田川町、TEL 03-3462-0111）に8月30日、アジアのフラッグシップショップとなる日本1号店をオープンする。

3階「CITY OF THE FUTURE（未来都市）」

　同ブランドを日本で展開するオンワード樫山（中央区）は同28日、リニューアルを終えた同館内を先行公開した。総売り場面積は約2,390平方メートル、地下1階から7階までの同館には、10月下旬オープン予定の地下1階フード＆カフェを除き、全館にわたってOCのセレクトラインが出そろった。

　同日、OC社のキャロル・リムCEOと、クリエーティブディレクターのウンベルト・レオンさんも来店。渋谷への出店について、リムCEOは「渋谷はエキサイティングな場所。初めてモヴィータ館を紹介されたときは、新しいコンセプトなどさまざまなイメージがわき上がってきた」と振り返る。レオンさんは各フロアの内装について「ビル全体がアメリカ建築を基にしている。さまざまなアメリカ建築のスタイルをフロアごとに使い分けることで、異なるフロアコンセプトを体現した」と話す。

　「A TRIP ACROSS AMERICA（ビクトリア－メンフィス－サンタフェ）」と名付けられた1階は、OCの「フィーチャーフロア」（リムCEO）。サンフランシスコやサンタフェなどアメリカ各都市独特の建築様式をモチーフにした展示棚や什器が並ぶ内装に、長年の顧客だった女優のクロエ・セヴィニーさんや、米国の老舗ブランド「ペンドルトン」などとのコラボレーションライン、ジュエリーなどの「一押し」アイテムを並べる

　2階のテーマは「A HOME WITHOUT WALL（カントリーホーム）」。「ダイニングや図書室、キッチンなどを、内壁を取っ払ったような状態で什器にした」（レオンさん）。同フロアでは、シューズ・アクセサリー・スキンケアアイテムなどを扱い、アクセサリーはすべて日本でのオープンに向けてデザインされた限定商品だという。

　3階はガラスや鏡などを仕切りに、ゴールド、ブロンズ、シルバーを基調にした「エッジーでシャイニーな内装」が特徴の「CITY OF THE FUTURE（近未来都市）」。「60年代の未来感を反映」（レオンさん）した同フロアには、世界初のショップ・イン・ショップとなる「アレキサンダー・ワン」や、オルセン姉妹のブランド「ザロー」など、主にOCの「パーソナルな友人」（リムCEO）という気鋭ブランドのショップ・イン・ショップが並ぶ。

　「典型的なアメリカの家を、半分にカットして日本に持ってくる」というコンセプトで手掛けた4階「WELCOME HOME（住宅街）」では、ベッドやカーペットを大胆に切断した状態でディスプレー。OCの秋冬コレクションを並べるほか、日本企画としてリーズナブルなプライス設定による「オープニングセレブレーション」も出品する。

　5階「A WALK IN THE PARK（パーク）」では、キヨスクや街頭、ベンチなどをモチーフにした内装に、「自分と同じ価値観を持つショップとコラボした」とリムCEOが話す米レコード店「アザーミュージック」や「D.A.P BOOKS」などの商品を取り扱う。「単に洋服を買うのではなくカルチャー全体を体験してほしい」（リムCEO）。

　そのほか、6階「OFFICE SPACE（オフィス）」には無機質なオフィス家具をピンクやオレンジに塗り替えた内装に、アメリカのデザイナー商品を集約。屋上をイメージして開放感を持たせた7階「UP ON THE ROOF TOP（屋上）」には、スウェーデンの人気ジーンズメーカー「アクネジーンズ」が新展開するアパレルブランド「アクネ」など、ヨーロッパデザイナーの商品を一堂に集めた。

　オープンに向けてオンワード樫山取締役常務執行役員の奥田彰さんは「この館には、ファッションは『アート』や『建築』など文化を反映するものという思いが込められている。彼らと仕事ができてうれしい。閉塞（へいそく）感感のあるアパレル業界の新しい起爆剤になれば」と期待を寄せる。リムCEOは、「すべてのエリア、すべての商品に、取り扱いまでの経緯やデザイナーのこだわりなどのストーリーがあるので、お客さまには商品とともにそのストーリーを持って帰ってほしい。商品を常に入れ替えることで、いつでも新しい驚きを体験してもらえるはず」と意気込む。

　営業時間は、日曜～水曜＝10時～20時、木曜～土曜＝10時～21時。