週刊漫画雑誌「モーニング」(講談社刊)に連載する異色の戦国漫画「へうげもの」の単行本9巻発売を記念して、目黒通り沿いのリノベーションホテル「CLASKA(クラスカ)」(目黒区中央町、TEL 03-3719-8121)で7月31日、全館を使った複合イベント「へうげて暮らすか」が始まった。
クラスカ8階「へうげ十作×クラスカ十作」展示の様子(関連画像)
「へうげもの」は、漫画家山田芳裕さんが週刊漫画雑誌「モーニング」に2005年から連載。織田信長、豊臣秀吉に武将として仕えながら、千利休に師事する茶人でもあった実在の人物古田織部を主人公に、茶の湯、器、インテリア、アート、グルメなど、安土桃山時代の「文化」的側面を伝える異色の戦国漫画。タイトル「へうげる」は「ふざけている」「おどけている」などの意味を持ち、「出世欲」と「物欲」の間で葛藤を繰り返す織部の姿に、現代日本人のライフスタイルを重ねる。
会場では、織部がプロデュースした窯元集団「織部十作」に倣って編成する若手実力派陶芸家集団「へうげ十作」の作品展(8階「Mix room」)や、利休が創案した茶室への狭い出入り口「躙口(にじりぐち)」を主題に、華道家の片桐功敦(あつのぶ)さんと竹工芸作家の田辺小竹(しょうちく)さんがホテル入口をアレンジする「WABBY BOAD」など、館内各所を使って同作のモチーフを現代風に再現。「へうげ十作」の作品を撮影してきたカメラマンみなもと忠之さんは8月1日、3階Cスタジオに「即席茶室」を設け、来場者に抹茶や千菓子を振る舞う(11時~19時、参加無料)。
また、「Mix room」のクリエーターズマーケットに参加するプロダクトデザイナーも「クラスカ十作」と称して「お中元」をテーマにプロダクトを制作し、「へうげ十作」と「競演」。施設3階のギャラリー「room 302. 」では、BEAMSのTシャツレーベル「BEAMS T」のプロジェクト「MANGART BEAMS T」から、他社比社デザインによる「へうげもの」Tシャツを特別展示販売(5,775円)する。
クラスカ名物の夏の屋上映画上映会「ルーフトップシネマ」では、映画集団「Kino Iglu」が「へうげもの」をテーマに選出したミッドナイトムービー「フォービデン・ゾーン」(1980年、リチャード・エルフマン監督)も上映(8月7日・9日・11日・12日、19時30分~、入場料2,000円、予約制)。そのほか、期間中の特別宿泊プラン「へうげて泊まるか」(1室24,455円~)なども用意し、クラスカ全館のスペース、機能を同展に合わせて衣替えする。
クラスカ広報の牛久保さんは「異種格闘技のようなもので、真剣勝負」とし、「トラディショナルなものとアバンギャルドなものとの総合感を、デザインが好きな方、ライフスタイルにこだわりのある方、ご年配の方まで、幅広い方々が楽しめるようなイベントになれば」と期待を寄せる。
開催時間は11時~19時。入場無料。8月16日まで。