タワーレコード渋谷店(渋谷区神南1)に7月29日夜、来月公開のドキュメンタリー映画「パティ・スミス・ドリーム・オブ・ライフ」のプロモーションで、フジロックフェスティバルへの出演を終えたばかりのパティ・スミスさんとスティーブン・セブリング監督が来店し、トークイベントを行った。
アコースティックギターを奏でながら歌うスミスさん(関連画像)
1946年シカゴ生まれのスミスさんは1970年代から音楽活動を開始。たぐいまれな音楽性、怒りを表現した詩、独自のパフォーマンスで知られるNYパンクの代表的アーティスト。同作品は、ライブ・パフォーマンスなど11年間に及ぶ記録映像を中心に、自身による解説、インタビューを通して、スミスさんの半生や哲学を浮き彫りにするドキュメンタリー。ラルフ・ローレンやメイベリンなどの広告撮影で知られる人気写真家のセブリングさんの第1回長編監督作品。
会場には、タワーレコード渋谷店・新宿店が限定販売したチケットセットを購入した300人が詰めかけた。パティさんが登壇すると会場からは大きな拍手沸き、「パティ!」と呼ぶ声が上がった。
ジャケットにジーンズ姿で登場したセブリング監督は「彼女の音楽を初めて聴いたのは、1996年にアービン・プラザであったパティの復活ライブの時。それ以前は母親として、アーティストとしての彼女しか知らなかったが、そのライブでミュージシャンとしての彼女に触れてびっくりした。そこからしつこく『撮影をさせてほしい』とお願いした」と振り返った。11年間追い続けたスミスさんについては、「知り合ってから14年目になるが、まだまだ足りない」と話した。
一方、7月24日にフジロックフェスティバルにも出演したスミスさんは、白地にリンゴの絵が描かれたインナーにラフなジャケット姿で登場。「フジロックは3回目だったが、大好き。いろいろな人がいて、さまざまなメッセージが届けられる。人に歌うのも好きだけど、山に歌うのも好き」と笑いを誘った。セブリング監督について、「『あなたがやっていることすべてを撮影する。もし映像にしたくなかったら、撮影した映像は全部あなたにあげる』という発言を聞いて、いい人だと思い撮影を承諾した」と明かした。
セブリング監督は「日本で公開するのはびっくりしたが、うれしい」と話し、スミスさんは「完成した映画を見たときはうれしかったし、幸せだった。偶然だが今日はわたしの父の誕生日で、映画公開日が父の命日。だから、映画を見て父が出てきたら思い出してください」と呼び掛けた。
トークの後、スミスさんはアコースティックギターを奏でながら3曲を熱唱。最後は「バイバイ」と告げながらステージを後にした。
同作品は8月29日から、シアターN渋谷(桜丘町)ほか全国で順次公開する。