皆既日食が国内で46年ぶりに観測される7月22日、旧代々木高校跡地施設(渋谷区上原2)天文資料室で「部分日食観望会」が行われた。
朝から雨が降る中、50人を越える行列ができたこともあり予定より30分ほど早く開場。同時に、室内に用意していた50席が埋まり、多くの人が立ち見となった。同施設が用意していた「日食めがね」100本の配布も終え、130部用意していたチラシは30枚増刷。予定していた100人を上回る160人が来場した。
この日予定していた「部分日食観望会」は雨天のため中止に。9時30分から日食の解説や星座の話をした後、皆既日食の中継を大型スクリーンで上映。屋久島や硫黄島で観測されている「欠け始め」の映像が映し出されると、室内からは「おぉ!」という声が上がる。約40分かけて皆既となった日食の映像が映し出されると、「わーすごい!」という歓声とともに拍手が起こった。
渋谷区在住の涼香ちゃん(小学6年生)は「いつも見えている太陽が見えなくなるのがすてき。雨が降っているのは残念だけど、大型スクリーンで見られるのが楽しみ」と、上映前に胸を躍らせていた。
10時30分を過ぎ、雨が降っていたはずの空が曇に。イベントを主催した渋谷区五島プラネタリウム天文資料解説員・村松修さんの「日食が見える」の声に屋外へ飛び出す参加者。時折雲のすき間から部分日食が見えると、「すごいね!見えた」と笑顔を浮かべて喜んだり、持参したカメラや携帯電話を空に向け撮影する人たちの姿が見られた。
渋谷区在住の苑香ちゃん(小学1年生)は「ずっと前から見に行くことが決まっていて、楽しみにしていた。(日食は)きれいで少しドキドキした」と興奮冷めやらぬ様子。
村松さんは「皆さんの喜ぶ笑顔が見たくて開催したから、こうして笑顔が見られたのは何よりもうれしい」と振り返り、「これをきっかけに、天文現象の不思議に少しでも興味を持ってもらい、自分たちで望遠鏡をのぞいて何かを発見してほしい」と子どもたちに期待を寄せた。