渋谷・東急百貨店本店前に7月20日、10代を対象にした街の保健室「ティーンズルーム」(渋谷区宇田川町、TEL 090-9683-0540)が期間限定でオープンした。運営は、10代の性と健康のサポートをテーマに活動を行うNPO法人ティーンズサポート(江東区)が手がける。
同法人代表で産婦人科医の須藤なほみさんは、自身が運営する携帯サイト「Dr.なおみのラブ&バディ」で性に関する相談などに答えてきたが、その後相談者が実際に病院へ出向いたかどうかを確認できないことから、「病院ではなく、10代の子が気軽に相談できる保健室のような場所が必要」と考え、「10代がたくさん集まる場所」として渋谷に期間限定で開いた。
同施設では、大学生や20代前半の「ティーンズスタッフ」が性に関する相談に無料で対応するほか、希望者には妊娠、クラミジア、HIVなどに関する検査を500円~3,000円で行う。また、必要に応じて専門医療機関での受診も推奨・紹介し、「受診確認はがき」を医療機関から受け取ることで「最終的な問題解決」が行われているかの確認も行う。20歳以上の相談・検査には1,000円~6,500円で対応する。
検査は保険証が不要で、匿名で受検できる。また、寄付などで従来の検査料を引き下げ、ワンコインからメニュー化した。こうした一連の施策は、「10代の『お金はかけられない』『親にバレたくない』『年の近い人に相談したい』というリクエストに応えたもの」(須藤さん)だという。
今回、同法人から相談を受けた医療器具のメーカー「ベクトン・ディッキンソン」(港区)が、性器クラミジア感染症・淋菌感染症などの試薬や検査容器を提供。そのほか、施設内にはコンドームのサンプルや、避妊・健康に関する啓発用の冊子などを展示するコーナーも設けている。
須藤さんは「親に言えない性の悩みを抱えている10代の中・高生は、一人で悩まず相談に来てほしい」と利用を呼びかける。
運営時間は13時~19時。9月23日までを予定。