渋谷区は、明治通り沿いにある「宮下公園」(渋谷区神宮前6)の命名権をスポーツ用品大手「ナイキジャパン」(品川区)に売却し、スケートボード場などを備えた「ナイキ」パークとして大規模改装に踏み切る方針を明らかにした。6月11日の区議会本会議で桑原敏武区長が整備方針を説明。契約締結後、今秋にも改修工事に取りかかり、来春の完成に向け調整を進める。
渋谷・原宿間のJR山手線と明治通りに挟まれるかたちで広がる宮下公園は、広さ約1万平方メートルの細長い立地。2006年6月には園内にフットサル場を開設。渋谷駅から近いこともあり、地元NPOと協力し、若手アーティストがベンチや壁などに「合法的グラフィティアート」を施す「リーガルウォール」などの若者向けイベントにも取り組んできた。
建設から40年以上経ち老朽化が進む園内環境の改善を目指し、命名権売却でランニングコストの負担を減らすほか、スケートボード場、クライミング・ウオールを新設。バリアフリーや緑化も進める。10年契約で、売却金額は年間約1,700万円。早ければ今月中にも住民説明会を行い、ナイキジャパンとの契約締結後、詳細を明らかにする。
改修計画が持ち上がる一方で、ホームレス支援者らで組織する「みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会」は、デモなどの反対運動を定期的に行っている。