若者アート集団「チンポム」、物議を醸した「広島」作品展-ナディッフ

会場では映像作品のほか、精巧に再現した丹頂鶴の立体「千羽鶴」も展示(photo=Kenji Morita)

会場では映像作品のほか、精巧に再現した丹頂鶴の立体「千羽鶴」も展示(photo=Kenji Morita)

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 現代美術家・会田誠さんの下、6人の若者で結成され、センセーショナルな作品で話題を集めてきたアート集団「Chim↑Pom(チンポム)」の企画展「広島!!」が6月12日より、恵比寿「NADiff a/p/a/r/t」(渋谷区恵比寿1、TEL 03-3466-4977)で開催される。

メンバー「紅一点」のエリイさん

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 リーダーの卯城竜太さん、「紅一点」のエリイさんをはじめ20代の友人が集まり2005年に結成されたChim↑Pomは、渋谷センター街のドブネズミをはく製にし、着ぐるみを着たギャルに着想を得て「ピカチュウ」風に作り替えた「スーパー☆ラット」(2006年)で注目を浴びた。

 同展のテーマにもなっている「広島」は、グループにとって「いわく付き」の地。昨年10月、広島市現代美術館での展示に向け同市上空に軽飛行機で5回にわたり放った「ピカッ」の文字が物議を醸し、同館での展示が中止に追い込まれた経緯がある。その後、一連の騒動を記録、検証した書籍「なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか」(河出書房新社刊)を刊行し、今年裏原宿にオープンしたギャラリー「Vacant」(神宮前3)で「お蔵入り」になった作品を3日間限定で公開した。

 昨年7月に企画展「日本のアートは10年おくれている」を開催した同ギャラリーでは、改めて作品を公開。上空に描いた「ピカッ」の文字を原爆ドームや平和記念公園などが映り込むかたちで記録した映像作品と、リアル造形技術で実物大の精巧な丹頂鶴を再現した立体作品「リアル千羽鶴」をそれぞれ展示する。

 会場では、書籍やDVDなどの関連作品も販売。同14日には美術史家・山下裕二さんと編集者の阿部謙さんによるトークイベントを開催する。

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