セルリアンタワー東急ホテル裏の「桜丘公園」(渋谷区桜丘町)で5月19日、フランス人の大道芸人フィリップ・プティさんが綱渡りやジャグリングなど約30分の曲芸を披露した。
プティさんは1949 年生まれ。パリ街角の大道芸人としてジャグリングや玉乗りなどで人気を博し、20代の1971年、パリのノートルダム大聖堂で綱渡りを敢行。1973年にはシドニーのハーバー・ブリッジ、翌1974年にはニューヨークのワールド・トレード・センターと、各国の有名な建物で綱渡りを次々と成功させ話題に。
綱渡りは、地上数百メートルにゲリラでロープを渡し、その上を命綱なしでウオーキング。ロープ上の「夢のようなたたずまい」でも知られ、これまでに綱渡りを敢行した有名建築は30カ所以上に上る。日本でも、1990年に赤坂ミカドビル(港区)のオープニングを記念した綱渡り「東京ウォーク」を敢行し話題を呼んだ。
今回の曲芸披露は、来月13日公開のドキュメンタリー「マン・オン・ワイヤー」(ジェームズ・マーシュ監督)のプロモーション。プティさんが6年以上かけて綿密な計画を練り、訓練を積んで挑んだNYワールド・トレード・センターツインタワーでの綱渡り敢行を追った同作は、今年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門を受賞。
公園では12時ごろ、プティさんが甲高い笛を鳴らしながら一輪車で登場。ジェスチャーや表情で巧みに観衆を誘導しながら、ジャグリングやコインを使ったマジックなどを披露した。
映画の題材にもなった「綱渡り」を前にプティさんがロープを手にとると、観衆からはどよめきも。ロープの両端を自ら木の幹にくくり付け、長さ4メートルほどの渡し綱を掛けたプティさんは、バランスを取りながらロープを渡り歩いた。途中ロープの中央では、3本のクラブをつかったジャグリングを披露し、突然のパフォーマンスに通行人も立ち止まって拍手した。
新宿「テアトルタイムズスクエア」で公開後、全国順次ロードショー。