渋谷の和食ダイニング「ぷん楽」(渋谷区宇田川町、TEL 03-5459-2601)で1月下旬より提供を始めた「ねこまんま」メニューが話題を集めている。
シンプルな具材や汁ものをごはんにかけ、一気にかき混ぜて食べる「ねこまんま」は従来、行儀が悪いなどの理由で「表舞台」には登場してこなかった「陰」のメニュー。同店キッチンサブマネジャーの伊地知章太さんは「シンプルな食材で味の想像が付きやすい。シメにもなる手軽なサイズ感が男女問わず幅広い客層にうけている」と話す。
メニューは3種類。イクラと卵の黄身に青じそ、ワサビを効かせた「いくらと青じそのたまごまんま」、ネバネバとした食感の具材に卵の黄身をトッピングする「めかぶと納豆とおくらのねこまんま」、だし風味の豆乳をかけ湯葉をのせた「湯葉と豆乳のねこまんま」で、いずれも480円。同店の「ごはん」メニューは各種茶漬けが780円で、通常メニューより300円以上安い「お得感」も人気の理由だ。
メニューは、アース・スター エンターテイメント(恵比寿4)が1月に発売した料理本「おとなのねこまんま」のタイアップ企画として登場したもの。「サブカル料理本」として出版した同書は、安価な食材や「2工程」で作れる簡単調理法、目分量で量れる材料など、独自のルールで「ねこまんま」を定義。洋風ねこまんまから汁ものをかけるシンプルなねこまんままで136通りのレシピを紹介し、発売後1週間で増刷。3月初旬には3万部を突破、現在重版分を含め7万部を出荷する人気本となっている。
同社広報・宣伝担当の木村麗子さんは「ネットで口コミが広がり、今ではテレビ番組の取材依頼も多い。安価な具材や簡単な調理法で、主婦層や男性など幅広い層が反応した。ブログでオリジナルメニューを紹介する人やねこまんまを提供し始める店が増えるなど、目に見えて反響が広がっている」と話す。
渋谷・ぷん楽では、多い日で40食以上を売り上げる日も。「複数の種類を同時に注文する団体客やおかわりの注文もある。予想を上回る人気」(伊地知さん)と、当初は期間限定メニューとして提供してきたねこまんまを、4月からはグランドメニューに加える方向で最終調整に入っている。今月からは、具材をバイキング形式で選べるランチメニューの展開も始めた。「今後は『ぷん楽』オリジナルメニューも開発していきたい」(同)という。
営業時間は、ランチ=11時30分~15時、ディナー=17時~翌2時。