元旦から一夜明けた1月2日、ファッションビル「SHIBUYA109」(渋谷区道玄坂2、以下109)では入居する各店が目玉の「福袋」を売り出す初売りが始まり、早朝から1万人を超える若者が列を作った。
開店直後にはお目当ての福袋を手にした若者が袋を開け、エントランス付近がフリーマーケット状態になる「福袋交換会」も恒例になりつつある109の初売り。今年は、例年は行列客が減り始める午後になっても一向に列が途切れず、館内では年初めの「お祭り」状態が続いている。
徹夜組を含む行列客は、朝7時前の時点で2千人を突破。「ダンボールで家を作って昨日(1日)の昼から並んだ」という先頭集団にいた八王子在住の高校2年生、あいみちゃんは今年で4年目の「参戦」。予算は3~4万円で、「目当てのブランドの福袋を買ったら、あとはなるべくパンパンに服が入っている袋を選ぶ」と息巻く。
6時に来たという共に大学1年生のあさみちゃん(18歳)、ゆうなちゃん(19歳)ペアは「今年で3年目。去年より1時間早く来たのに整理券の番号が遅かった。みんな来るのが早くなってるのかも」と例年にも増して伸びる行列の数に驚きながら「雑誌やネットで情報を見てきた。アウターが入っているから5千円よりも1万円の福袋の方がお得。店員さんのノリのよさで買っちゃいそう」。
「前評判」では、人気が集中するため7時30分の「プレ」オープンで共に福袋を先行発売した「セシルマクビー」「スライ」をはじめ、大人っぽいスタイルが人気の「マーズ」、スポーティー&セクシーがウリの「one spo(ワンスポ)」などが「本命」に多く上がった。
全館オープンは昨年より15分遅い7時45分。開館と同時にエントランスからは先頭集団がなだれ込み、福袋のもとへ急ぐ若者と「走らないでください」と促す警備員、メガホンやプラカードを片手に大声で客引きするスタッフで館内は騒然。エスカレーターの上り口には各フロアの店のスタッフが集結し白熱した客引き合戦を繰り広げた。
福袋の中でも特に人気だったのが、前評判も高かった7階・ギルフィーの1万円福袋。「袋自体がかわいいものもポイントが高い」(早朝から並んでいた所沢市の高校3年生、ゆりえちゃん)との意見も多かったように、袋はエナメル素材の普段も使えそうなしっかりとした作りのバッグ。店は開店30分で早くも長蛇の列ができる騒ぎに。このほか1階の「ダイア」、4階「リズリサ」「JSG」などにも人だかりができた。
オープンから15分、8時ごろになると早くも大きな福袋を抱えた若者で館内はいっぱいになり、階段やビルから出たエントランス付近では福袋を開けて「中身」を確認する若者も。昨日から並び「(館内に)3番目に入った」という都内の高校2年生、静ちゃんはダイアなど2万円分の福袋を購入。開けた感想は「微妙」。「交換でなんとかしたい」と渋い表情。
8時を過ぎるとエントランス付近の人ごみも増えはじめ、「誰か交換しませんか~?」のかけ声とともに恒例の大「交換会」が幕を開けた。アウターやワンピース、スカート、キャミソールや帽子に至るまで交換したいものを放出し終わるまで続く交換会で、エントランス前はおしくらまんじゅう状態に。
109広報によると、初売りとなったこの日は行列が昼すぎまで途切れず「(入館者数を)集計できないほどの混雑状態」。入場制限は午後まで解かれず、昨年、一昨年の4万人を上回るペースの盛況ぶりが続いている。