渋谷の忠犬物語がハリウッドに進出――松竹は、忠犬ハチ公の物語を描いたリチャード・ギアさん主演の映画「HACHI 約束の犬」(原題「Hachiko: A Dog's Story」)を来年8月に公開すると発表した。
飼い主である大学教授の没後も渋谷駅前で帰りを待ち続け、現在も駅前のシンボルとして親しまれる秋田犬「ハチ」が米・著名俳優リチャード・ギアさんと夢の「共演」を果たす。メガホンを取ったのは、「ギルバート・グレイプ」(1993年)、「ショコラ」(2000年)などの作品で知られるラッセ・ハルストレム監督。
ハチ公の物語は1987年に松竹系列で「ハチ公物語」(新藤兼人監督)として映画化されヒットしたことでも知られるが、新作は「(新藤監督)のリメークではなく、日本の実話に基づいて製作したオリジナル」(松竹映画宣伝部)という。舞台は米国郊外のベッドリッジ駅。寒い冬の夜、「迷子」になった秋田犬の子犬を偶然保護したギアさん演じるパーカー・ウィルソン教授と、駅で帰宅するウィルソン教授を日課のように出迎えるハチの物語を描く。
舞台は東京・渋谷から米国に移るものの、出会いの際、首輪に付けられたタグに刻まれていた漢字から名付けられたのは日本語名の「HACHI(ハチ)」。ストーリーも、日本での忠犬物語に忠実に描かれているという。同社映画宣伝部によると、ギアさんは「自身も大の愛犬家」。「国境を越えて共感を呼ぶ普遍的なテーマが、製作スタッフたちの心を揺り動かした」(同)という。
「丸の内ピカデリー1」ほかで「8(ハチ)」並びの来年8月8日より、全国ロードショー予定。