たばこと塩の博物館(渋谷区神南1、TEL 03-3476-2041)は12月13日より、開館30周年を記念した企画展シリーズの最後を飾る「おらんだの楽しみ方 江戸の舶来文物と『えん録』」を開催する。会場は4階特別展示室。
同展では、江戸時代にオランダの貿易船によって持ち込まれたヨーロッパの小物や陶磁器、ガラス器、油絵など洋風の表現を意識して当時の浮世絵師が描いた浮世絵など約150点を一堂に展示する。
展示物のひとつ「えん録」(1809年刊行)は、当時西洋の学問を本格的に学んだ「蘭学者」らがたばこに関する研究をまとめた書。たばこを吸う異国の人物絵や、喫煙具の図などが掲載されており、「解体新書」を翻訳した杉田玄白の弟子、大槻玄沢(げんたく)が中心となりまとめた。
このほか、ヨーロッパで製造された加工革、金唐革(きんからかわ)を用いたたばこ入れや、日本で作られたガラス製のきせるなども紹介する。会場では江戸時代の日本人と外国人の交流が描かれた葛飾北斎の作品「画本東都遊(えほんあずまあそび)」などの版本ほか、浮世絵が展示物の半数を占めるという。
開館時間は10時~18時。月曜定休。入場料は、大人=100円、小・中・高校生=50円ほか。来年1月25日まで。