歩く人の「振動」で発電――渋谷駅・ハチ公前広場で12月5日、通行人の歩く振動で発電する「発電床」の実証実験が始まった。
発電床は、音力発電が開発した発電技術で、実験では体重60キロの場合1秒間に2歩踏むと0.1~0.3ワット発電する「従来型」(45.5×45.5センチ)4枚を舗装タイルに埋め込んだものを、JRハチ公改札口前の広場に埋め込んだ。発電床の仕組みを説明したパネルには、振動エネルギーで発光するLEDランプを埋め込み、電力量を表示する「総発電表示モニター」も設ける。設置期間20日間で発電量、発電効率、耐久性などを検証する。
同5日に行われたセレモニーには、音力発電の速水浩平社長や渋谷区都市整備部環境保全課の担当者らが参加。速水社長は「発電床はこれまで捨てられていた『振動』による電気を拾うことができる。いかに効率よく通行の振動を力に変えるかに技術的な特徴がある」と説明。「将来的には発電床を使い、『発電する街』『発電するビル』が登場すると考えている」と今後のビジョンを話した。広場には発電量を2~3.5ワットの約10倍に高めた「新型」(15×20センチ)も特設。
2006年9月に設立された音力発電は、話し声や騒音などの音をエネルギーに変える「音力発電」や、発電床を使った「振動力発電」などを用いた商品の開発・販売などを行う。実験は渋谷区と同社よる共同企画。
今月25日まで。