原宿「ファスト・ファッション商戦」勃発(ぼっぱつ)へ――日本1号店となる銀座店のオープンから約2カ月、最新トレンドを取り入れた値ごろ感、デザイン両面がそろう豊富なラインアップで一大旋風を巻き起こしたスウェーデン発の人気衣料チェーン「H&M」(社名=エイチ・アンド・エム へネス・アンド・マウリッツ)が11月8日、「GAP」「ZARA」などの競合がひしめく原宿に国内2号店を開く。
コラボライン「エイチ・アンド・エム コム デ ギャルソン」のバッグ
「ワンピース4,990円」「パンプス5,490円」。一見インポートのデザイナーズブランドの商品に見えながら、手に取りやすい価格帯を前面にアピールしてきたH&Mが新たに乗り込むのは、高級ブランドやセレクトショップが集積する表参道エリアからも目と鼻の先の「原宿」。
神宮前交差点を中心に、いずれも徒歩1~2分圏内に店を構える「GAP」「ZARA」などの競合に加え、同じ明治通り沿いに並ぶラフォーレ原宿内には先月中旬、英・人気ブランド「TOPSHOP/TOPMAN(トップショップ/トップマン)」日本初の大型コンセプトストアがオープン。銀座店開業の際には近隣のザラ銀座店が「H&M効果」でにぎわった事例もあり、迎え撃つ競合の動向にも注目が集まる。
H&Mブランドを国内展開するヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパン(渋谷区渋谷2)は11月7日、報道陣や関係者らに向け「H&M原宿店」(神宮前1、TEL 03-6418-3232)を先行公開。総売り場面積約1,500平方メートル、地下1階から3階までの大型店には、冬物のコートやカラフルなニット類などが並び、先月ニューヨークで発表され、同店と銀座店で先行発売される「コム・デ・ギャルソン」デザイナー川久保玲さんとのコラボレーションラインもお目見えした。
銀座1号店にはない新ラインアップとして登場する「DIVIDED(ディバイデッド)」は、ストリート、クラブ、パーティーシーンからインスピレーションを得たという「ヤングマインド」なラインで、豊富なカラーバリエーションやポップなプリントなどクリエーティブな商品を発信する。ローリングストーンズ自身やおなじみの「ベロ」マークを起用したロックンロールテイストなTシャツ(3,290円)が登場するなど、コム・デ・ギャルソンの限定ライン同様、注目を集めた。
H & M ヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパンのクリスティン・エドマン社長は、「銀座店に比べて店内は天井が高く、商品にも色や柄を取り入れたためビジュアル的に明るくなった。銀座店のメンズラインが予想以上に好評だったので原宿店では年齢層を問わずファッション感度の高い男性をターゲットにした商品構成を強化。銀座店では1階にフィッティングルームを設けていなかったので原宿店では全階に設けた」など銀座店との違いを説明。そのほか「オープン後半年経過したときにも、まだ話題を集めていられるよう、お客さまの声を本にサービスの改善を行っていきたい」とも。
原宿店は11月8日11時にオープン予定。