たばこと塩の博物館(渋谷区神南1、TEL 03-3476-2041)は10月25日より、開館30周年記念展「近世初期風俗画 躍動と快楽」を開催する。会場は4階特別展示室。
同展では、「近世初期」とされる16世紀末~17世紀中期に描かれた風俗画を展示。室町時代から江戸時代に、当時の理想郷を描いた風俗画「遊楽図」や、京都の市街や郊外を見下ろしたかのように描かれた風俗画「洛中洛外図」などのびょうぶ画を一堂に紹介する。びょうぶは、横幅が大きいもので3メートル近くになる作品も。
展示作品のひとつで、現存する洛中洛外図の中で最古といわれる重要文化財「歴博甲本」は、16世紀前半の京都の様子を描いたもので、作者や制作目的などは断定されていない。当時の歌舞伎の趣向を取り入れて描いた「阿国歌舞伎図」や、豊臣秀吉の姿も描かれた京都・醍醐寺の「醍醐花見図」なども展示。愛知県西尾市の文化財「四条河原遊楽図屏風」は、同県外で初の展示となる。
会期中、国立民族学博物館の教授らをゲストに招き、講演会(同25日、11月1日、8日、16日、22日、29日)を開催するほか、ベネチア国際映画祭で監督賞を受賞した熊井啓監督の映画「千利休 本覺坊遺文(ほんがくぼういぶん)」(1989年)も特別上映する。
開館時間は10時~18時。月曜定休。入場料は大人=300円、小・中・高校生=100円ほか。11月30日まで。