半世紀以上前にデザインされて以来、世界で愛用されてきたローマ字書体「Helvetica(ヘルベチカ)」の資料などを通じ、活字の歴史やグラフィックデザインの潮流などに迫る企画展「A tribute to Typography ~ヘルベチカの過去・現在・未来」が10月21日より、ラフォーレミュージアム原宿(渋谷区神宮前1)で開催される。
ヘルベチカは、1957年スイス「ハース鋳造所」で手組み用活字としてデザインされたサンセリフ(飾りのない)のローマ字書体。発表当初の名称「ノイエ・ハース・グロテスク」から1960年に改名、企業ロゴやポスターの書体に用いられるなど世界的に普及し、日本では1964年東京オリンピックで初めて制定書体に採用された。
同展では、ヘルベチカ開発当時の資料をはじめ、同書体を使った企業ロゴやポスター、パッケージ、アルバムジャケットなどを展示。アートディレクター、グラフィックデザイナーの服部一成さんやデザイングループ「groovisions」、若手グラフィックデザイナー古平正義さんら、グラフィックをベースに活躍する実力派デザイナーが同展のために制作した作品も公開する。
会場では、ドキュメンタリー映画「ヘルベチカ~世界を魅了する書体~」の日本語版DVD発売を記念し、作品を限定上映するほか、タイポグラフィーやデザインに関する書籍やプロダクトなどを販売するミュージアムショップも。会期中は、デザイナーによるトークイベントも開催する。
開催時間は11時~20時(最終日は18時まで)。入場料は300円。今月28日まで。