写美でアメリカの「混迷期」追う大規模企画展-シリーズ第2弾

第2部「我が祖国 1918-1961」の会場の様子

第2部「我が祖国 1918-1961」の会場の様子

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 「アメリカ」に関する写真を一堂に集め文化や歴史を振り返る大規模企画展「ヴィジョンズ・オブ・アメリカ」の第2部「我が祖国 1918-1961」が、東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)で開催されている。

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 同シリーズは、同館が所蔵する約2万3,000点の作品の中から、米著名写真家の作品や「アメリカ」をキーワードにした作品など数百点を3部構成で展示。第1部「星条旗 1839-1917」(7月5日~8月24日)では、フランスからダゲレオタイプ(銀板写真)が渡来した1839年からヨーロッパの写真表現を米国に伝えたアルフレッド・スティーグリッツ主宰の写真雑誌「カメラ・ワーク」が休刊した1917年までの作品を紹介した。

 第2部では、第一次世界大戦が終結した1918年からケネディ大統領就任の1961年までに焦点を当て、世界恐慌や第二次世界大戦、東西冷戦など激動の時代に米写真史がどのように変化したのかを、162枚の作品から探る。アート、ファッション、ドキュメンタリー、自然など幅広いジャンルの作品を展示。ファッションのポートレートで活躍した米写真界の巨匠アーヴィング・ペン氏やフォトジャーナリストのユージン・スミスなど著名写真家による作品が一堂に並ぶ。

 産業記録として自動車メーカー「フォード」の1920年代の工場などを収めた写真家チャールズ・シーラーの作品をはじめ、高度な撮影とプリント技術「ゾーン・システム」を用い大自然を鮮明に写し出したアンセル・アダムスの代表作「月の出、 エルナンデス」(1941年)、ロバート・キャパがノルマンディー上陸作戦で兵士の一瞬をとらえた世界的に有名な写真「オマハ・ビーチ、コルヴィユ=シュル=メール付近、ノルマンディー海岸」なども公開。

 日本で報道写真を広めた写真家の一人、三木淳がミュージシャンのルイ・アームストロングを撮影した「ルイ・アームストロング(1900-71)東京で、『世界の巨匠』より」(1900年)や、アーヴィング・ペン氏と並びアメリカを代表するファッション写真家、リチャード・アヴェドンの初期の写真なども並ぶ。写真のほか当時の雑誌も展示し、1950年代に発行されたファッション誌「ヴォーグ」やマリリン・モンローが表紙を飾った写真雑誌「ライフ」などの本誌も併せて展示する。

 10月中旬から始まる第3部「アメリカン・メガミックス 1957-1987」(10月25日~12月7日)では、小説家で詩人のジャック・ケルアックが小説「オン・ザ・ロード」を発表した1957年からアンディ・ウォーホルが他界した1987年までの写真を紹介する。

 会期中の第2・第4金曜日は、同館の学芸員が展示説明(16時~)を行うほか、10月12日にはピーター・バラカンさんを講師に招き、「アメリカのポピュラー音楽-ジャズ・エイジからロックンロールまで」をテーマにしたレクチャーを行う。

 開館時間は10時~18時(木曜・金曜は20時まで)。月曜休館。入場料は、一般=500円、学生=400円ほか。10月19日まで。

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