東京都は今年1月に売却方針を明らかにした渋谷・松濤の都知事公館について、売却先を外国政府の大使館に限定することを決めた。
知事公館は1997年7月、渋谷・東急「Bunkamura」裏手に総工費約12億円をかけて建設。敷地面積約2,220平方メートル、地下1階、地上2階の建物の延べ床面積は約1,885平方メートルで、石原慎太郎知事は1999年の初当選以来一度も入居しておらず、今年に入り売却計画が具体化した。
売却先を海外の大使館に限定したことについて都財務局は、会議室などがある間取りを有効活用できることや、周辺にモンゴルやニュージーランドなどの大使館が点在していることなどを理由に挙げている。最低売却価格は48億円で、不動産鑑定士による評価額を基に土地と建物を含め算定した。
売却先は、都庁内部の選定委員会(「旧東京都知事公館買受予定国選定委員会」)が希望価格や応募理由(困窮度)、近隣との調和などを総合的に審査し、9月上旬に決定する。売却後5年間は、都の承認なしに貸し付けや転売、建物の解体を行わないことが条件(改修は可能)。申込受付期間は8月25日~29日。
9月下旬の仮契約、12月の都議会議決を経て来年1月に引き渡し予定。