米アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)3G」が7月11日早朝7時、ソフトバンクモバイル旗艦店「ソフトバンク表参道」(渋谷区神宮前1)で全国販売店に先駆け発売され、3日前から並び始めた「待機組」を含む大勢の客が「話題の品」をいち早く手にしようと店内に殺到した。
「日本一早い」同機の発売に、早朝の表参道が異例の「iPhoneフィーバー」に包まれた。販売開始が1時間後に迫った午前6時、先頭からのびた長蛇の列は表参道に沿って原宿駅近くを通過、歩道橋を越えてJR線路沿いにまで達し、同店前は発売を待ち受けるファンやまわりを取り囲む報道陣で騒然となった。先行発売が告知された3日前から徐々にでき始めた列は、前日夜の段階ですでに600人を超え、発売当日には1,500人以上まで膨れ上がった。
異例のフィーバーぶりに、同店ではスタッフを通常の2~3倍と大幅に増員、契約のためのブースも通常の約2倍となる100ブース近くに増やす気合いの入りよう。エントランスには「iPhone 3G」のロゴが描かれた大きな垂れ幕が掛けられ、デジタル時計で発売までをカウントダウン。販売開始10分前、前日の夜も突如店の前に現れ行列客をねぎらったソフトバンク孫正義社長が再度登場。「今年はケータイが『インターネットマシン』になる年。(将来は)PCよりiPhoneでネットする方が快適になる」と話し、行列客とともにカウントダウンに臨んだ。
7時ちょうど、真っ白なスモークがたかれる中、販売開始。同時に日本初のiPhoneを心待ちにした約50人の「先頭組」が続々と店内に足を踏み入れた。3日越しの「悲願」を達成した先頭組は同機を手に意気揚々とブースに直行、手続きを済ませて店の外に出ると、大勢の報道陣に取り囲まれインタビューに応じた。
3日前から並び始めた数人の中から「じゃんけん」で先頭を勝ち残った名古屋工業大学の院生、佐野博之さんは、契約第1号とはならなかったものの「すごく嬉しい」と満足そう。「体調は全然大丈夫です」と初めて手にしたiPhoneに疲れも吹っ飛んだ様子。佐野さんの数人後に並び、記念すべき契約第1号を手にした神奈川県在住の大学生(男性)は「いやー、いいっすね。早速彼女に電話を入れた」と喜びの表情。一方、「本当の1番は僕じゃないので申し訳ない。(1番に並んだ)彼に話を聞いてあげてください」と3日間にわたり行列をともにした先頭組の「結束」からか、報道陣に対しては終始遠慮気味だった。
同店を含めソフトバンク取扱店では今回のiPhone発売に関して事前の販売台数を一切公表せず。発売当日に訪れた客からは「買えるかどうか不安」との声も聞かれたが、在庫は発売1時間後の8時近くになっても途切れていないようだ。
全国の取扱店舗では表参道店に続き、同正午から一斉に販売をスタート。端末価格は新規契約(24回分割払い)で、8ギガモデル=23,040円、16ギガモデル=34,560円。
iPhoneを手に満足そうな先頭客の佐野さん(関連画像)開店前、店頭であいさつする孫社長(関連画像)ソフトバンク表参道前には大勢の報道陣(関連画像)渋谷方面まで伸びた長蛇の列(関連画像)ソフトバンク表参道に「iPhone3G」求め行列-先頭は8日早朝から(シブヤ経済新聞)