東京都、渋谷区、民間の鉄道事業者などで組織する「渋谷駅街区基盤整備検討委員会」は6月30日、JR埼京線ホームの移設やバスターミナルの再配置計画などを含む渋谷駅周辺再開発の整備方針を発表した。6月の副都心線開業後、2012年度には東急東横線地下化を控える駅周辺の「再編」が動き出す。
副都心線が新たに加わり、6駅8線の鉄道路線が乗り入れる駅周辺の交通の利便性を確保するほか、大正時代から増改築が繰り返されてきた駅施設と周辺の公共施設を再編・整備し「安全で快適な都市空間」づくりを目指す。今後地元や関係機関との協議を重ね都市計画を決定、事業化に向け本格的な検討、調整段階に入る。
駅施設は、2012年度に副都心線との相互直通運転を開始する東横線の地下化に伴い、現在駅の南側に孤立している埼京線ホームを移設、山手線ホームと並行させる。銀座線ホームは島式(1面2線)化する方針。ホームのほか、コンコースの拡充で複雑化する乗り換えにも対応する。
駅周辺の景観を大きく変えるのが、バスターミナルの再配置。現在東急バスをメーンに京王、小田急各社のバスが乗り入れる西口バスターミナルを駅周辺に分散、ハチ公広場横にバスターミナルを含む広場を新設するほか、駅ビルの再開発で東口ターミナルも再編。タクシー乗り場の地下化に加え、国道246号線の拡幅で駅周辺道路をてこ入れする。
整備方針では駅周辺の再編で、公共駐車場の整備が可能となるほか、副都心線・東横線の上部空間を活用した地下駐輪施設を新設するなど、自動車、自転車の駐車容量の大幅な拡充も見込む。
渋谷駅東口・旧東急文化会館跡地では、東急電鉄が2012年をめどに地上33階建ての複合高層ビルの開発を進める。地下化する東横線・新渋谷駅とも接続する同ビルには低層階に東急百貨店が新店を出店、中層部はミュージカル劇場やエキシビションホールから成る文化施設、高層部はオフィス空間になる計画がそれぞれ明らかになっている。
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