今年で6年目を迎える若手アーティスト公募展「ワンダーシード」が3月8日、渋谷・神南の複合アート施設「トーキョーワンダーサイト(TWS)渋谷」(渋谷区神南1、TEL 03-3463-0603)で始まった。
ワンダーシードは、東京都のアート支援プログラムTWSの公募企画として、2003年にスタート(旧「0号展」)。今年は、昨年を倍以上上回る過去最高の971点の応募があり、うち107点を展示している。
会場に並ぶのは、石原慎太郎都知事、今村有策TWS館長、小山登美夫さん(小山登美夫ギャラリー)らの審査員による審査を通過した、個性豊かな絵画作品。サイズ0号~10号、53センチ四方以内という規定の「枠」で、各作家独自の世界観を表現した。
展覧会前日のオープニングレセプションには、石原都知事ら審査員をはじめ、展示にこぎ着けた若手作家も多数出席。石原都知事は「若い人の作品は『げてもの』で結構。みんな頑張りなさい」と会場の若者にエールを送った。一方、審査員の1人でアートプロデュース集団アートアセファル代表の岡田聡さんからは「トレンドに流されている作品も多かった」との厳しい指摘も。
TWSでは、合格者に展覧会開催などの支援を行うコンテンポラリー・アート公募展「ワンダーウォール」も実施しており、「ワンダーシードは1つの入り口」(家村佳代子トーキョーワンダーサイト・プログラムディレクター)。今後、若手アーティストの登竜門として、世界にも通用する作家を輩出していく構えだ。
ワンダーシードの出品作品は販売も行うため、来場者が気に入った作品を購入することで、若い「美術愛好家」を育成する目的も。作品は1万円~2万円前後の中心価格で、昨年に続き現代アートのネット通販ショップ「@Gallery TAGBOAT」でもオンライン販売する。
開館時間は11時~19時。月曜休館。入場無料。3月27日まで。