映画「トラック野郎」(1975年~79年)で一躍注目を浴び、全国的ブームにもなった「デコトラ」の魅力を、約10年間にわたりとらえ続けてきた若手写真家、田附(たつき)勝さんの個展が1月12日より、「リトルモア地下」(渋谷区千駄ヶ谷3、TEL 03-3401-1042)で始まる。
磨き上げられた金属板や極彩色の電飾を乗せ、深夜の街を疾走するド派手なトラック――田附さんの作品からは、その絢爛(けんらん)華美な「デコレーション」の裏に、オーナーたちの「熱い」思いが見え隠れする。菅原文太さん、愛川欽也さん主演で1970年代後半に公開された映画「トラック野郎」(東映)シリーズが、イメージの起点になっているという。
昨年8月、自身が20代のころからライフワークとして撮り続けてきたこの「ポートレート」を、1冊の作品集として発売した。写真集「DECOTORA」(リトルモア刊)に掲載された一連の作品には、オーナーの主張を映し時代とともに多様な変化を遂げてきたデコトラの歴史と、変わらない日本人特有の美意識を見て取ることができる。派手なトラックに負けないドライバーたちの個性も印象的。
1月12日から始まる個展では、未収録作品や新作を含む約60点を展示する。同27日には、田附さんと、黒潮船団総本部会長の宮内如弘さん、同部長の宮内龍二さんによる「デコトラ」トークイベントも開催する。
営業時間は12時~19時(月曜定休。1月14日は営業、翌15日は休み)。入場料200円。2月3日まで。